新型コロナウイルス感染症の流行で2020年のプロ野球開幕が見えない日が続いている。2020年シーズンをどのように進めていくか、各球団は検討を進めているようである。そうした検討で取り上げられた案の1つに日本シリーズを12月に行うというものがあった。新型コロナウイルス感染症への対策が十分に行えるか、気温が低下する状態での試合で選手の健康状態に悪影響はないのかといった懸念もあるが、現行の制度や契約面でも解決しなければならない問題がある。ここでは、そうした問題点を指摘したい。

12月に試合を行う場合に障害となる野球協約の規定


NPBが12月に試合を行おうとする場合に、まず障害となるのは日本プロフェッショナル野球協約(以下、「野球協約」という。)である。野球協約173条は、「球団又は選手は、毎年12月1日から翌年1月31日までの期間においては、いかなる野球試合又は合同練習あるいは野球指導も行うことはできない。」としている。このため、野球協約上は原則として、11月30日までにシーズンを終えなければならない。もっとも、この規定には、「ただし、コミッショナーが特に許可した場合はこの限りでない。」とただし書きが付いている。コミッショナーの特別な許可があれば、例外的に12月1日以降も試合を行うことはできるため、この障害はそれほど大きなものではない。

また、野球協約87条1項の規定も問題となる。野球協約87条1項は、「球団は選手に対し、稼働期間中の参稼報酬を支払う。統一契約書に表示される参稼報酬の対象となる期間は、毎年2月1日から11月30日までの10か月間とする。」と統一契約書に書かれた参稼報酬(以下、野球協約や統一契約書から引用した箇所を除いて、「年俸」という。)の対象となる期間に12月が含まれないことが示されている。野球協約173条が12月1日から翌年1月31日までをポスト・シーズンとして、試合を行えない期間としていることからも、野球協約は12月中に試合を行うことを予定していないといえるであろう(※1)。

ただし、野球協約上の問題はそれほど障害ではない。野球協約は、実行委員会、あるいはオーナー会議で改正することができる。上記の2つの規定以外にも、それらとつじつまを合わせるために改正を要する規定はいくつかあるが、球団間での合意さえ形成できれば、この障害は解決が可能である。したがって、球団間の利害関係が大きく異ならない状況下においては、球団間の合意形成はそれほど困難でない。

大きな障害となるのは、むしろ球団と選手との統一契約の内容である。


12月に試合を行う場合に障害となる統一契約の規定


統一契約書3条は、「球団は選手にたいし、選手の2月1日から11月30日までの間の稼働にたいする参稼報酬として金●●●●●●円(消費税及び地方消費税別途)を次の方法で支払う。」と定めており、野球協約87条1項と同様、選手の年俸は2月1日から11月30日までの稼働に対して支払われるものとしている。裏を返せば、12月1日から翌年1月31日までは、選手が球団の指定する試合に出場しなければならない義務はない。

そして、野球協約が球団間での合意だけで変えられるのとは異なり、契約は球団と選手双方の意思が合致しなければ、変更することはできない。つまり、球団側が12月に試合を行おうとしても、選手側がこれに応じなければ、12月に試合を行うことは不可能である。

では、どうすればいいか。1つの方法は、個々の選手に対して各球団が交渉を行い、契約内容の変更の合意を得ることである。しかし、各球団60名から70名の選手に対して個別に交渉を行うことは現実的ではないであろう。

もう1つの方法は、日本プロ野球選手会(以下、「選手会」という。)との間の交渉を通じて、労働協約を締結することである。


選手会との間で労働協約を結ぶことで12月に試合は行えるか


労働協約とは、労働組合と使用者またはその団体との間の労働条件その他に関する協定で、書面に作成され、両当事者が署名し、又は記名押印したものである(労働組合法14条)。

選手会は、1985年に東京都地方労働委員会(現在の東京都労働委員会)の資格審査を経て、労働組合と認定されている(※2)。

また、大阪近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブとの合併問題に関して、選手会が団体交渉を求め得る地位にあることの仮処分命令を申し立てた事件の即時抗告審での東京高裁平成16年9月8日決定(法律時報77巻11号94頁)においても、選手会が労働組合であり、労働組合法7条2号の団体交渉権を有することについては認めている(ただし、結論としては選手会の抗告は棄却。)。同様にNPBが所属する個々の球団と並んで団体交渉の相手方となり得ることも認めている。

したがって、選手会が労働組合として使用者団体であるNPBと交渉を行うこと、労働協約を締結することは可能である。

なお、「プロ野球選手は個人事業主」といわれることから、選手が「労働者」とされることに違和感を覚える方もいるかもしれない。この点については、労働基準法上の「労働者」の概念と労働組合法上の「労働者」の概念が異なることが理解を難しくしていると思われる。今回の問題に関していえば、プロ野球選手は労働組合法上の「労働者」に該当し、団体交渉権が認められるということだけわかっていれば結論を左右することはない(※3)。

労働協約を締結した場合、労働協約に違反する労働契約の部分は無効となり、労働協約の基準の定めるところによることとなる(労働組合法16条)。統一契約書での稼働期間は、2月1日から11月30日とされているが、労働協約でこれとは異なる定めをすることで、12月に試合を行うことも可能と一応はいえそうである。

12月に試合を行うには選手会との合意が必要との報道もされた。裏を返せば、選手会との合意があれば、12月に試合を行うことも可能という趣旨であろう。その根拠については、具体的に示されることはなかったが、概ね上記のような理解と考えられる。

しかし、全てのプロ野球選手が選手会に加入しているわけではないため、問題は残る。


外国人選手の問題


NPB・球団と選手会とが労働協約を締結し、12月に試合を行うことに合意したとしても問題が残る。選手会には、外国人選手が加盟していない(※4)。選手会に加入している選手に労働協約の効力が及ぶのは当然としても、選手会に加入しておらず、交渉にも関与できない外国人選手にまで、労働協約の効力が及ぶのであろうか。

労働組合法は、一定の場合には、労働協約の効力が組合員以外にも及ぶことを認めている。労働組合法17条は、「一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。」と定めている。この規定により、選手会が締結した労働協約の効力が及ぶことになれば、外国人選手と個別に同意を得ずとも、12月に試合を行うことが可能と考えられる。

では、仮にNPBと選手会とが労働協約を締結したとして、外国人選手にも労働協約の適用があるのであろうか。

これについては、①外国人選手が労働組合法17条の「一の工場事業場に常時使用される同種の労働者」に該当するか(※5)、②仮に該当するとしても、不利な内容を含む労働協約の効力を労働組合に加入していない外国人選手にも及ぼしてよいか、を考える必要がある。

労働組合法17条の要件を検討していくと、まず「一の工場事業場」の意味が問題となる。一の工場事業場とは、文字通り同一の工場事業場(例えば、○○工場や○○支社、○○支店)を指す。プロ野球の場合に、個々の球団を「一の工場事業場」といえるか判然としないながらも、プロ野球選手は所属球団の他の選手と年俸以外のほとんどの条件で同一の基準で活動をし、行動を共にしているという点からすれば、この要件はクリアしそうではある。

次に外国人選手とそうでない選手とが、「同種の労働者」といえるかも問題となる。どのような労働者を「同種の労働者」とするべきかは、組合員以外にも労働協約の効力を拡張する労働組合法17条の趣旨を考慮するべきとされる。労働組合法17条の趣旨は種々の見解があるが、最高裁第三小法廷平成8年3月26日判決(最高裁判所民事判例集50巻4号1008頁)は、「主として一の事業場の四分の三以上の同種労働者に適用される労働協約上の労働条件によって当該事業場の労働条件を統一し、労働組合の団結権の維持強化と当該事業場における公正妥当な労働条件の実現を図ることにある」とされる。このような公正妥当な労働条件統一という趣旨を踏まえるとどうなるであろう。

分かりやすい例でいえば、同じく球団で働いているといっても、労働条件が大きく異なる選手とスコアラーや打撃投手などでは「同種の労働者」とはいえない。では、外国人選手の場合はどうなるか。

外国人選手であっても、統一契約書に基づいて球団と契約している点では、選手会に加入している外国人選手でない選手と同一である。外国人選手は、出場選手登録に関する制限が加わる点(野球協約82条の2)やフリーエージェントの際の補償に関する規定の適用が異なる点などを除いては、野球協約及び契約上は他の選手と労働条件が異なることはない。こうした点を考慮すれば、外国人選手もそうでない選手も「同種の労働者」とする見解もあろう。しかし、外国人選手に関する契約の実態からすると、私はこのような見解は妥当でないと考える。

外国人選手でない選手の場合、契約期間が満了しても自由な移籍が不可能である(野球協約68条1項、同2項、統一契約書様式31条柱書)。野球協約及び契約上は外国人選手にもこれらの規定は適用されるはずであるが、実際には外国人選手は複数年契約の場合を除いては、当該年度の契約期間満了後は、自由に他球団との交渉が可能であり、移籍も特約を交わしていない限りは自由である。選手会ホームページ掲載の「日本プロ野球構造改革案」の「構造改革案 柱2 自由競争化の準備」21頁でも外国人選手について「契約上活躍するとすぐに移籍でき」るとしており、同様の認識を抱いていると考えられる(※6)。このような外国人選手の契約の実態からすると、外国人選手とそうでない選手とは労働条件が大きく異なっており、「同種の労働者」として労働条件を統一することが望ましいとは考えがたい。契約期間が満了しても、翌年以降も同一の球団に所属することが原則とされる外国人選手でない選手を想定した労働条件を、契約期間が満了すれば翌年以降は同一の球団に所属することが原則とされていない外国人選手に適用することは相当でない。

また、仮に外国人選手が「同種の労働者」とされても、労働協約を適用することが著しく不合理であると認められる特段の事情があると考えられる。

12月に試合を行うという協約が締結された場合、外国人選手だけが不利益を負うわけではない。選手会に加入する選手についても、本来は試合への参稼が予定されていなかった期間の参稼を余儀なくされることになるため、こうした労働協約が結ばれたとしても、外国人選手だけを狙い撃ちにして不利益を負わせるようなものではない(組合員の利益のみを考えて、非組合員に不利益を課すような労働協約ではない。)。

ただし、外国人選手とそうでない選手とでは、これまでに述べたように契約の実態が異なっており、参稼期間が12月まで延長されることの不利益の程度も大きく異なる。引き続きNPBの球団に所属することが大半の選手で構成される選手会とそうでない外国人選手とでは、同じ参稼期間の延長であっても受ける不利益の程度は大きく異なる。特に今年度、新型コロナウイルス感染症に伴う日程の変更がNPBにとどまらない現状においては、自由契約となるタイミング次第で翌年度の契約獲得にいかなる影響が及ぶか、極めて不透明な状況といえる。自由契約になるタイミングが遅れることで翌年度の契約内容が変わってくる可能性は、例年と比べても高い。NPBの球団から移籍する可能性が高い外国人選手にとっては、これは死活問題といえるであろう。

このように、12月に試合を行うことで、外国人選手は選手会に加入する選手と比較しても、大きな不利益を受けやすいといえる。もちろん、選手会に加入する選手も程度の差こそあれ不利益は受けることとなる。しかし、選手会に加入していれば、総会等の手続きを通じて、選手会の方針に意見を反映させることができる。選手会に加入する選手には、そうした手続き的な保障がされているといえる。しかし、選手会に加入しておらず、選手会の方針決定に関与する余地のない外国人選手にはこうした手続き的な保障もない。選手会も過去には外国人選手が加入していたこともあり、明示的に外国人選手を組織対象から外しているわけではないものの、外国人枠の撤廃や拡大には反対しており(※7)、外国人選手の利益を代表する立場にあるか疑問な点もある。

このように実際に受けることとなる不利益の程度が大きいこと、手続的な保障が十分にされていないことからすれば、仮に外国人選手が「同種の労働者」とされても、労働協約の適用をすることが著しく不合理な特段の事情があるといえ、いずれにせよNPBと選手会が12月に試合を行うことを内容に含む労働協約を締結すれば、外国人選手にもその効力が及ぶとすることは相当でない。

そうなると、仮に12月に試合を行おうとする場合には、選手会の合意を得るだけでなく、外国人選手とも個別に合意を得る必要がある。しかし、12月まで試合を行うこととなれば、契約更改の時期もずれ込むことになる。翌年以降もNPB所属球団と契約をするのであれば、大きな問題はないであろうが、海外の球団と契約をする可能性がある場合には、契約更改時期のずれは問題になるであろう。NPBから去る選手が相当数いる外国人選手について、一律に合意を取り付けるのは現実的でないと思われる。


年俸に関する問題


以上のように、12月に試合を開催することのハードルは相当に高いと考えられる。本題からは少し外れるが、この記事を執筆中にシーズンの試合数が削減される見込みが相当強くなってきたことから、年俸に関する問題についても触れたい。

試合数が削減されることになれば、球団の収入も減少することになる。そのような場合には、選手の年俸も減少することになるのであろうか。

統一契約の解釈からすると、仮に試合数が削減されても、あるいは今年度の試合が行えなかったとしても、年俸については当然には削減されないと考えられる。

その理由は統一契約書で定められた年俸は、試合数に応じて支払われるものではなく、参稼期間に応じて支払われるものであるからである。野球協約60条1号、同2号、同3号は出場停止等の処分を受けた場合の年俸の減額について定めているが、その基準は「1日につき参稼報酬の300分の1に相当する金額」としており、年間の試合数ではなく、参稼期間(約300日)を基準に減額を認めていることがわかる。野球協約91条の減額も同様である。また、統一契約書様式3条は、契約が2月1日以後に締結された場合に、2月1日から契約締結の前日まで1日につき年俸の300分の1を減額するとしている。このような規定からすれば、年俸は試合の有無にかかわらず、2月1日から11月30日までの参稼期間に応じて支払われるものであることは明らかである。試合数が削減されたとしても、それに応じて年俸が当然に減額される性格とはいえない。

また、統一契約書様式7条は、「選手がコミッショナーの制裁、あるいは本契約にもとづく稼働に直接原因しない傷病等、自己の責に帰すべき事由によって野球活動を休止する場合」には、年俸が減額できるとしているが、それ以外に年俸が減額できる事由を定めていない。新型コロナウイルス感染症の流行は、選手の責めに期すべき事由とはいえないから、年俸の減額はできない。

以上のような野球協約、統一契約書の解釈からすれば、試合数が削減されたとしても、年俸は削減されないといえる。

もっとも、球団と選手会とが交渉をして、選手会が年俸の削減に応じることは否定されない。球団としても、現段階で年俸の削減を求める姿勢は示していないことからしても、年俸の削減を行わなければ、直ちに経営を継続することが不可能な状態にあるわけではないであろう。しかし、経営に大きな悪影響があることは間違いない。翌年度以降もこれまでと同様に開催ができるのかも不透明な状態にあっては、降ってわいた災難による損害を球団と選手双方で分かち合うという判断もあり得るだろう。

選手としても、試合が例年通り行われないことで、支配下登録日数を基準とするフリーエージェント権の獲得については不利益を負っている。また、翌年度以降の契約が確保されるか、活躍に対して支払われる年俸の水準が維持されるか、不透明な点もある。こうした点について、支配下登録数の限定的な拡大や戦力外通告、フリーエージェント権に関する特例を設けることで、球団側にも選手に対して譲歩する余地はあると考えられる。条件次第であろうが、選手側にも年俸の削減に応じられる場合もあるであろう。


(※1)なお、これ以外にも野球協約155条は「セントラル野球連盟及びパシフィック野球連盟の年度連盟選手権試合は、毎年10月10日よりその年の10月20日までの期間内に終了するものとする。」と定めていたが、この規定は2019年に改正されており、10月10日から10月20日までに年度連盟選手権試合(レギュラーシーズンとクライマックスシリーズを指す。)を終了しなければならないという制約はなくなっている。さらに付け加えると、東日本大震災があった2011年度以外でも2017年や2018年など10月20日までにクライマックスシリーズを完了できない年度は存在しており、この規定はたびたび守られないことがあった。

デイリースポーツ「NPB野球協約の3項目の改定 出場選手登録1人増の29人」 <https://www.daily.co.jp/baseball/2019/01/22/0011998876.shtml>(参照2020-4-5)

(※2)日本プロ野球選手会「運営組織・構成・変遷」<http://jpbpa.net/management/>(参照2020-4-5)

(※3)プロ野球選手が労働基準法上の「労働者」に該当するか否かについては該当するという見解としないという見解の双方がある(例えば、かつての公正取引委員会は判然としないながらも労働者に該当するとの見解を示しており、国税庁は労働者に該当しないとの見解を示している。)。もし、プロ野球選手が労働基準法上の「労働者」に該当するとすれば、労働基準法や労働契約法による保護を受けられるということになる。ただし、現在の統一契約の内容や球団・選手双方の対応からすると、プロ野球選手は労働基準法上の「労働者」に該当しないとの前提で制度が組み立てられているように思われる。もっとも、現行の制度がどうあれ、プロ野球選手の契約実態からすると、労働基準法上の「労働者」に該当し、労働基準法が適用されるべきという主張はあり得るであろう。

(※4)選手会ホームページの「目的と理念」<http://jpbpa.net/purpose/>(参照2020-4-18)によれば、「日本プロ野球選手会は、日本のプロ野球12球団に所属する日本人選手全て(一部の外国人選手を含む)が会員となっている団体です。」とのことであり、過去には加入していた外国人選手もいた(チェン・ウェインなど)。しかし、会員名簿を確認したところ、現時点では、外国人選手の加入者はいない。<http://jpbpa.net/register/>(参照2020-4-18)

(※5)より厳密にいうと、「四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったとき」に該当するかも問題となるが、いずれの球団においても選手会に加入する選手が支配下登録選手の4分の3以上になるため、あえて検討するまでもない。

(※6)<http://jpbpa.net/up_pdf/1284367276-594775.pdf>(参照2020-4-18)

(※7)「外国人枠問題について」<http://jpbpa.net/reform/other.html>(参照2020-4-18) もっとも、外国人選手は複数年契約を結んでいない限りは、契約満了後、自由に移籍が可能であり、保留権によって年俸を抑えることができない点で、外国人選手でない選手よりはるかに有利な立場といえる。この上、外国人枠まで撤廃されれば、組合員である選手は不利な競争を強いられることになる。こうした理由からは、選手会の立場とすれば、外国人枠の撤廃や拡大に反対するのは、至極当然であろう。 なお、選手会は正規会員でない外国人選手についても、選手雇用トラブル等があった場合には個別にサポートを行っているとする(「JPBPA Blog キャンプレポート③」)<http://jpbpa.net/blog/?id=1329718363-983328>(参照2020-4-18)。しかし、上記のように、選手会の組合員である選手と外国人選手との間で、利益相反が生じやすい関係にあることからすれば、やはり選手会が外国人選手の利益を代表する立場になり得るかは疑問である。

参考文献
本文中に引用したもののほか、
菅野和夫『労働法(第12版)』917頁(弘文堂、2019年)
荒木尚志「新労働法講義 第20回、第21回」法学教室326号59頁、327号87頁(2007年)
綿引万里子「判解」最高裁判所判例解説民事篇平成8年度上260頁(1999年)
佐藤隆夫『プロ野球協約論』122頁(一粒社、1982年)


市川 博久(いちかわ・ひろひさ)/弁護士 @89yodan
学生時代、知人が書いていた野球の戦術に関する学術論文を読み、分析に興味を持つ。 その後『マネー・ボール』やDELTAアナリストらが執筆したリポートを参考に自らも様々な考察を開始。『デルタ・ベースボール・リポート3』にも寄稿。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocketに追加

  • アーカイブ

執筆者から探す

月別に探す

もっと見る