ポジション別wRAAとは:同じ打席数をリーグの同ポジションの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたか、または減らしたか。ポジション平均の打者であれば0。3.0であれば同ポジションの平均より3点多く打撃でチームの得点を増やしたと考えることができる。この表を見て、攻撃面の強みがどのポジションにあるのか、各チームの状況の把握に役立ててほしい。先週(6月20日)時点のポジション別攻撃力はこちらから

パ・リーグポジション別攻撃力


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楽天は茂木栄五郎が好調で、三塁手の攻撃力がリーグ最高値に。茂木は守備指標UZRでも三塁手としてNPB最高レベルの値をマーク。攻守で他球団に差をつくっている。オリックスは各ポジションで昨季から劇的な改善を見せているが、一塁、二塁、指名打者などまだ大きな弱点は残っている。ただこれは大きな上積みの余地を残しているとも考えられる。

ソフトバンクはここ3試合で5得点と、攻撃面で低調な試合が続いている。その結果、ポジション別の攻撃力でもプラスからマイナスに転じるポジションが増えてきた。ロッテは田村龍弘が待望の一軍復帰。現状、西武の独壇場となっている捕手の攻撃力で巻き返せるだろうか。

西武は呉念庭山田遥楓らが健闘するも、それでも二塁手の攻撃力はリーグ平均には劣る。外崎修汰が良い状態で帰ってくればこのポジションでも大きな上積みをつくれる可能性がありそうだ。日本ハムは外野の攻撃力に改善の兆しが見られるも、内野は変わらず低調なまま。捕手、三塁、遊撃の攻撃力不足はここ数年悩まされて続けている。ブランドン・レアードの退団は大きなダメージとなった。

先週(6月20日)時点のポジション別攻撃力はこちらから



セ・リーグポジション別攻撃力


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阪神は交流戦終了後3勝6敗とやや失速気味。ほとんど弱点のなかった攻撃面でも、内野に小さな穴が生まれはじめている。読売では今週、丸佳浩が5試合で8安打3本塁打3四球の大活躍。中堅のポジションが攻撃面でリーグトップに躍り出た。

ヤクルトは例年攻撃で大きな弱点があり、山田哲人村上宗隆のつくったプラスを相殺してしまったが、今季はそうした様子は見られない。中日は2019年にブレイクを果たした阿部寿樹が攻撃面で不振に。ただ二塁UZRではNPBトップクラスの値を記録。少々打撃不振でも起用する価値は十分ありそうだ。

DeNAではタイラー・オースティンが守る右翼がリーグ最高の傑出度を記録。開幕からやや遅れての合流となったが、圧倒的な存在感を発揮している。広島は西川龍馬が守る中堅、鈴木誠也が守る右翼で例年ほどの傑出が見られない。鈴木はここまで長打力を測る指標ISOが.192。.300に迫る年があったことから考えると、長打力の面で低調なシーズンとなっている。

先週(6月20日)時点のポジション別攻撃力はこちらから

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