セイバーメトリクス
野球についての客観的・統計的な分析あるいは研究のこと。研究家のビル・ジェイムズがアメリカ野球学会を意味する SABR(Society for American Baseball Research)と測定を意味するmetricsを組み合わせて作った造語である。ビル・ジェイムズはセイバーメトリクスを「野球についての客観的な知見の探究」と定義している。
セイバーメトリクスは従来の感覚に基づく考え方や主観に捉われず客観的な思考や統計から何が言えるかを探求する点に特徴がある。研究の対象となる分野としては盗塁・バントなど戦術の有効性の分析やどの選手がどれだけチームの勝利に貢献しているかの評価、将来の成績の予測など多岐に渡る。
ビル・ジェイムズが書籍の出版をはじめた1980年代当初はごく一部のマニアの間でしか知られていなかったが、徐々に愛好家の輪を広げている。2003年にはセイバーメトリクスを用いた球団運営の裏側を描いたノンフィクション小説『マネー・ボール』(マイケル・ルイス著)が発売され、後年映画化もされた。一般的な知名度の向上は同著書による部分も大きい。現在MLBではほとんどの球団が専門の分析家を抱えているとされる。
参考文献
セイバーメトリクス発展史の中の『マネー・ボール』(セイバーメトリクス・マガジン1)