リプレイスメント・レベル(代替水準)


【概要】

リプレイスメント・レベル(代替水準)とは、最小のコストで用意することができる代替選手に期待される成績水準をいう。控え選手のレベルとも言われる。選手の貢献度を数値化する際の基準として用いられる。MLBの算定では一般的に、代替水準の選手でチームを構成した場合得点率は平均の80%程度、失点率は平均の120%程度、代替水準の選手で構成されたチームの勝率は.300程度になるとされる。日本では打者がwOBAで平均の0.88倍、投手は失点率で平均の1.39倍(先発投手)あるいは1.34倍(救援投手)程度となる。



【背景】

代替水準の定義は研究者によって様々だが、最低限の年俸で確保できる選手の水準、控え選手のレベル、といった言い方がよくなされる。代替水準は当然ながら平均よりはかなり低い水準であり、平均より劣る選手でも大抵は代替水準よりは勝る、という分析結果になる。


代替水準は平均との比較で選手を評価することがチーム運営の実態に即した表現にならないという観点から用いられるようになった。リーグ平均という基準は一軍で出場している主な選手たちの平均であり、レギュラークラスの中くらいの水準を意味することになる。冷静に考えるとそのような戦力は球団の中ではむしろ貴重な部類であり、例えば平均と対比した評価値(wRAA)が-5だからといってそれが劣悪な選手であるかのように考えるのは現実に合わない。平均から見て多少マイナスだとしても、その選手が故障すればもっと劣る控えの選手が出て来るからである。


そこで基準を平均ではなくその選手を失った場合の代替手段の能力水準で考えれば、その選手の価値をより実態に即した形で表現できることになる。打撃で言えば、平均的な打者と代替水準の打者は年間20点程度得点創出に差が出ると考えられている。つまりwRAAが-5の打者でも代替水準と比べれば+15で、このような見方をした方がその選手がいない場合よりはチームに積極的な貢献がもたらされていることがわかりやすくなる。


総合評価指標WARの「R」はReplacementを指し、WARは上記の理由から比較基準として代替水準を採用している。また代替水準の定義を「最低限の年俸で確保できる水準」とすれば経済的な観点も導入しやすく、適正な年俸の評価といった分析にも繋げやすいのが特徴である。



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