XR(eXtrapolated Runs)
概要
打者が攻撃においてどれだけの得点を創出したかを表す指標。打者のXRの値が60ならチームの得点のうち60点を対象の打者が生み出したという意味で、値が大きいほど多くの得点を創出しチームに貢献していることとなる。
計算式
XR = 0.50×(安打-二塁打-三塁打-本塁打)+0.72×二塁打+1.04×三塁打+1.44×本塁打+0.34×(四球-故意四球+死球)+0.25×故意四球+0.18×盗塁-0.32×盗塁死-0.09×(打数-安打-三振)-0.098×三振-0.37×併殺打+0.37×犠飛+0.04×犠打
背景
XRはジム・ファータドが開発した得点推定式である。計算式は統計学の分析手法である重回帰分析を使って作成されている。ここでいう重回帰分析とはおおまかには、チームの打撃成績データを元に、各種の事象に一定の加重を与えて得点を推定する場合にどのような加重とすれば最小の誤差で得点を推定できるかを導き出すものである。
式の性質としては各種の事象に得点価値に応じた加重を掛け合わせるものであり、得点期待値に基づくLWTSに近しい。もっとも現在では重回帰分析で各種の事象に適切な得点価値を割り当てることができるかについて疑問が呈され、XRが分析に用いられる機会はなくなっており、得点期待値に基づくLWTSが主流となっている。
参考文献
「得点推定式を読み解く」蛭川皓平(『セイバーメトリクス・リポート4』水曜社2015)