RF(Range Factor)
概要
RF(Range Factor)とは9イニングあたりの刺殺・補殺の数によって野手の守備を評価する指標である。ビル・ジェイムズが開発した。
計算式
RF=9×(刺殺+補殺)/守備イニング
※守備イニングのデータが得られない場合は簡易版として刺殺+補殺を出場試合数で割る計算が用いられる場合がある。
背景
従来、守備の評価については動きの観察による主観的な評価か、数字としてはエラーをしない割合を表す守備率による評価が用いられていた。しかしプレーの観察による評価は必ずしも客観的・合理的な評価とならないこと、守備の目的は失策をしないことではなくアウトを奪い失点を防ぐことであるため失策による評価は本質的でないことから、獲得したアウトを加点的に評価するRFが開発された。
守備位置によって打球を処理する機会の多さは異なるため通常は守備位置ごとの比較に用いられる。例えばRFが5.0の遊撃手は4.5の遊撃手に比べてイニングあたりで獲得するアウトが多く優秀な守備者であると考えられるが、RFが2.0の中堅手と比べてどちらが優れた野手かという議論はできない。
注意点としてRFは単にイニングあたりの刺殺・補殺を評価する指標であるため、どれだけ守備位置周辺に打球が飛んできたかという野手の守備力以外の要素に大きく左右される。このため近年ではRFの考え方を発展させつつより公平な評価とするために詳細な打球のデータを用いて守備を評価するUZRなどの指標が算出・利用されるようになっている。また、ビル・ジェイムズによるRFの発展版としてRRFがある。