• 1.02 Column



プロ野球のセ、パ両リーグは8/28終了時点で残り30試合を切り、ペナント争いが過熱しています。セ・リーグは8/24に広島の優勝マジックが点灯。25年振りのリーグ制覇が見えて来ました。パ・リーグは8/25にソフトバンクが首位を明け渡し、日本ハムが今シーズンはじめてリーグトップに立ちました。その後、ソフトバンクの踏ん張りもあり、順位は元の通りとなりましたが、優勝争いが横一線となっています。また、CS圏内となる3位争いは両リーグとも3球団に可能性があり、こちらもどの球団がポストシーズンに進出するのか全く読めない展開となりました。



<セ、パ両リーグの順位おさらい>



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セ・リーグ優勝を目指す広島は、8/21のヤクルト戦に勝って連勝を6に伸ばしましたが、次週の巨人戦は今季8勝10敗、敵地では2勝5敗と今シーズン最も苦手としているカードでした。そんな相性の悪さが災いしてか、8/23のカード初戦はジョンソン投手が9回無失点の好投をしながら、延長に入ると脇谷亮太選手にサヨナラ本塁打を許し連勝がストップ。しかし、翌8/24は巨人の先発菅野智之投手に対し、5回に安部友裕選手のソロ、6回には4本の長打を集め逆転に成功。8回には菊池涼介選手と丸佳浩選手の連続アーチも飛び出し、7-3で勝利した広島に優勝へのマジックナンバー「20」が灯りました。


その後も広島は順調にマジックを減らし、8/28の時点では「13」と優勝に一歩ずつ近付いています。地元の広島市内では、チームが勝つとニュース速報が流れるなど早くも優勝ムードで、この分だと経済効果もかなり期待できそうです。


巨人は、広島との首位攻防戦で3連勝を狙っていましたが、決して層が厚いとはいえない投手陣に疲れが見え始め、優勝マジックを許した試合から5連敗。8/28のDeNA戦にはマイコラス投手を中4日で起用する非常手段を取りましたが、長時間に渡る雨天中断の不運にも見舞われるなど、打開策とはなりませんでした。


3位争いは、DeNAが阪神に3連敗した後に巨人戦で3連勝。阪神はDeNAに3連勝後のヤクルト戦で3連敗と不安定な状態。これに乗じてヤクルトが4位に浮上し、3位に2.5差と詰め寄りましたが、今週は巨人との2連戦、週末には広島3連戦と苦戦が予想され、CS最後の椅子を競う戦いはまだまだ混戦となりそうです。



パ・リーグは、8/25に日本ハムがロッテに勝ち、ソフトバンクが楽天に敗れたため4/19以来129日ぶりに首位が入れ替わりました。後半戦に入り苦戦が続いていたソフトバンクは、8/23の楽天戦でサファテ投手が負傷。25日の同カードでは、1点リードの9回に代役守護神としてスアレス投手がマウンドに上りましたが、茂木栄五郎選手に逆転の3点ランニング本塁打を浴びる屈辱的な敗戦となりました。しかし、2位転落のショックを発奮材料としたナインたちは、次カードのロッテ戦で打線が大爆発。わずか1日で首位の座を取り返し、マイナス0.5差ながらリーグトップに返り咲いています。


日本ハムは後半戦でも順調に勝ち星を伸ばしてきましたが、8/26の西武戦を前に大谷翔平投手が体調不良のため試合を欠場。どうやら風邪の症状だったらしく、翌日の試合では代打で登場し今季20号ソロを放ちましたが、先週は全般を通してやや低調な打撃内容でした。しかし、代わりに投手陣が踏ん張ってリーグ最多の貯金を維持し、いよいよ首位獲りに本腰を入れて来そうです。


こちらもCS最後の枠争いは混戦になる可能性を秘めています。3位ロッテは、主力選手の相次ぐ故障と守備の破綻によりここ2週間の成績は2勝9敗と大きく後退。これに対し、4位楽天と5位西武が徐々に借金を減らし、ロッテとのゲーム差は開いているものの、何が起きてもおかしくない事態になるかもしれません。3球団の残り試合はソフトバンク、日本ハムとの対戦が多く、優勝争いを巻き込む状況になるか、それとも早々と雌雄が決することになるのか、こちらも先の展開を読むのは難しそうです。




<各球団の戦力値>

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各球団の戦力値比較は、残り試合数も少なくなり両リーグ共に数字の動きは小さくなってきました。それでも、ロッテの戦力がリーグ平均を下回る状態になるなど、ペナントレースの移り変わりを示すデータもあります。この時点から戦力を大きく伸ばす球団は先ず出て来ないと考え、優勝及びCS争いを目指す球団の課題は、


広島・・・主力選手の故障防止。先発及び救援投手陣の再点検。

巨人・・・チームの強み(後半戦の得点力)を維持。故障者の戦列復帰。

DeNA・・・投手陣の再整備。控え野手陣の厳選。

ヤクルト・・・先発投手デプスの確保。故障者の戦列復帰。

阪神・・・レギュラー野手の厳選。守備力の確保。



ソフトバンク・・・得点力の改善。ブルペンのデプス確保。

日本ハム・・・大谷の先発復帰時期。大谷不在時の打線穴埋め。ブルペンの休養確保。

ロッテ・・・守備力の見直し。投手全体のデプス確保。

楽天・・・長打力(外国人打者)のサポート。エース(則本)の負担軽減。

西武・・・得点力の維持。先発ローテ見直し。



といった点が挙げられます。ファームでは若手の育成から1軍戦力のサポート体制を敷く球団も多く、少しでも戦力を落とさない努力が続けられていますが、ファームで好調な選手がチームを救うことがあるかもしれません。各球団の指揮官にとって、毎日胃が痛くなる日々がやって来ることにもなりますが、シーズンの集大成となる9月に戦力を効果的に集めた球団が最後に笑うこととなるでしょう。




<今週以降の日程とCS進出の展望>

9月以降のプロ野球で、球団の首脳陣の頭の痛い問題は「連戦と雨天中止」です。この時期は毎年台風の影響などにより気候が荒れやすく、公共交通機関が運行を見合わせたがために選手やファンの移動手段が確保出来ない理由で試合が中止となるケースもあります。セ、パ両リーグとも公式戦を終えた後にクライマックスシリーズ(以下CS)を控えているので、運営側としては多少の悪天候でも試合を強行したいのが本音でしょう。


現在の日程では、セ・リーグが振替日未定となっているヤクルト-DeNA戦の1試合を除けば9/29、パ・リーグは10/1で日程を終了する予定で、CSまでの日数はセが8日、パも6日は確保されています。しかし、ここから中止が増えて来ると日程の消化が厳しくなってきます。参考までに、昨シーズンのスケジュールを振り返って見ましょう。




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セ・リーグは9月以降に9試合が中止となり、この中で最も中止が多かったヤクルトと巨人は日程の合間に振替試合を入れ、巨人はCSが始まる6日前になんとか公式戦を終えることが出来ました。しかし、3位を阪神と激しく争っていた広島は10/1に予定していた中日戦が雨で流れ、最終的にCS進出は果たせませんでしたが、もし勝っていれば3日後には巨人とファーストステージを戦う過密な日程になるところでした。




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パ・リーグはドーム球場を本拠地にする球団が多いため、昨シーズンの9月は中止が3試合とスケジュールのやり繰りに苦労することはあまり無かったようです。ところが、シーズン中7試合を雨で流していたロッテと、同じく8試合が順延となっていた楽天の日程が9月後半から過密になり、西武と3位を争っていたロッテの最終戦が10/6まで伸びてしまいました。


この試合でロッテは、エースの涌井秀章投手を中4日で先発起用し、延長戦に及ぶ死闘によりCS進出を確保。日本ハムとのファーストステージも2勝1敗と勝ち越しましたが、ソフトバンクと戦ったファイナルステージでは涌井投手を起用出来ないまま3連敗を喫してしまい、一部で賛否両論が起きただけでなく涌井投手の状態を心配するファンも相当数に上りました。


公式戦の中止試合数が増えると、CSまでの日程に余裕が無くなるばかりでなく、通常とは異なる形式で連戦が続き、遠征にも苦労が生じます。楽天は昨シーズン、9/26から10/3までの8日間で関東(ロッテ、西武)、関西(オリックス)、九州(ソフトバンク)そして関東(ロッテ)と4回も移動があり、その他の球団も変則的なスケジュールで体力の消耗を強いられました。今シーズンは、パ・リーグの優勝争いとセ、パどちらも3位争いが白熱する展開になっているので、日程により有利不利を占うことも出来なくは有りません。ここからは両リーグの残り日程をチェックしてきましょう。



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セ・リーグは2位巨人から5位阪神までがCSを争っていて、巨人は9/14から9/24まで11連戦を控えています。これだけでも大変なスケジュールですが、8/30から予定しているヤクルトとの北陸シリーズは、台風10号が迫っている関係で中止の可能性も少なくありません。もし、このカードが順延となった場合には、9/30以降の振替が濃厚です。一方、本拠地が屋外球場となるヤクルトはその後も中止の恐怖と戦わなければならず、対戦カードによっては10月以降に試合が組まれる可能性が高くなります。


追加日程は、NPBよりCS進出を賭けた試合が優先となりますので、中止が決定した時点で振替日が直ぐに決まるわけでもありません。8/18に雨天中止となったヤクルト-DeNA戦は現時点では未定で、9/20と9/21は両球団の予備日となっていますが、このカードが追加されていません。そのため、未定分は9/26もしくは9/28以降に振り替えられることになりそうですが、他のカードとの兼ね合いもあり確定出来ない状態です。


CS争いが激しくなると、複数の球団に及ぶ戦いが面白くなるのは事実ですが、可能な範囲で連戦を避け、公平なスケジュールを組むのは並大抵の苦労ではないようです。



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パ・リーグは、CSまでの空き日が少ない分、中止のリスクが大きくなります。楽天は、昨シーズン以上の過酷なスケジュールで、9/17の西武戦から9/30のソフトバンク戦まで13試合を敵地で戦うことになります。唯一の空き日である9/26は地元仙台に戻って来るでしょうから、それも含めれば6度も移動することになります。そのため、9月上旬に固まっている本拠地での試合で、3位ロッテとの差を少しでも詰めておきたいところでしょう。そのロッテと西武は、このまま中止が無ければ9/28に全日程を消化する予定ですが、楽天とのカードが中止になれば振替日は10/2以降となる可能性があり、仮にCS進出を果たしたとしても調整期間は短くなる恐れもあります。


また、激しい優勝争いを演じているソフトバンクと日本ハムは、残り試合でのホーム/アウェイの数が極端に異なります。ソフトバンクは主催ゲームが10試合しかないのに対し、日本ハムは15試合を予定。ただ、日本ハムは札幌ドームでの主催試合が10試合分に留まり、それ以外は他球場を借りての遠征になり、移動の負担はそう変わらないように見えます。また、両者の最後の直接対決は9/21からソフトバンクの主催で、日本ハムとしてはこのカードの前にある程度のアドバンテージを作っておくことが、逆転優勝への近道ともなりそうです。


ペナント争いが最後までもつれれば、その分楽しみな試合が増えることにもなります。しかし、チームの戦い方によっては、ポストシーズンで不利に立たされる局面も出て来るのは明らかです。天候との戦いは避けられないものの、CS進出を目指す指揮官はより一層、選手運用のマネジメントに力を入れて欲しいところです。

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