前回はセイバーメトリクスがどのように守備力を評価するかを紹介した。今回は打撃を取り上げたい。打撃に関する数字といえば、すぐに思い浮かぶのは打率、本塁打、打点だろう。いずれもタイトル争いが注目され、三冠王ともなれば球史に名を残すことになる。だが、これらの数字だけで打者の価値は十分に測れるだろうか。

例えば本塁打を1本打っても、走者の有無によって打点は1~4まで変わる。つまり打点は本人の打力だけでなく、前を打つ打者たちの出塁能力に大きく左右される。それに比べれば、打率や本塁打数は本人の打力を端的に示していることになる。では3割打てるが本塁打はシーズンに1桁ぐらいしか期待できない巧打者タイプと、打率は2割5分だが20本塁打を期待できる一発屋はどちらに価値があるのか。セイバーを使えば、こうした違うタイプの打者を同じ尺度で測れる。

(こちらの記事の続きは、 「日本経済新聞」にて、お読みいただけます)



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