今季から日本ハムやDeNAなど一部の球団は、MLBで見られるような極端な守備シフトを採用しているようだ。これに伴いDELTAでもデータ入力においてシフトへの対応を行い、UZR(Ultimate Zone Rating)のアップデートを行った。


アップデートの内容


今回のアップデートにより、「明確にチームが主導した現代的な守備シフト」はUZR評価の対象外となった。具体的には内野の塁間に3人の内野手がポジションをとるもの、外野手が4人になるものなどがこれにあたる。

現代的な守備シフトはチームの主導により従来とは大きく異なるポジションをとる。シフトにより処理された打球は、個人の守備能力よりもチームの方針に依存するだろう。個人の守備貢献を評価するというUZRの狙いからは離れてしまうため、このようなシフトが採用されたプレーは評価の対象外とすることにした。MLBのデータを取り扱うFangraphsでもこのような処理が行われており、現状最も適切な方法であると考える。

データを除外し算出する項目は、

①RngR(守備範囲)
②ARM(進塁抑止)
③DPR(併殺完成)

の3つだ。失策については従来のとおり評価の対象となる。

1.02内で表示されるUZRも、現代的な守備シフトを除外したデータを表示することになる。UZRはWAR(Wins Aboce Replacement)の構成要素でもあるが、こちらも守備シフトを除外したUZRを用いて算出を行っている。

今後、守備シフトがどのような影響を与えていたかの検証は行っていくつもりだ。そのためにこれまで通り現代的な守備シフトを除外しないUZRの算出も、公開はしないものの継続する。2つのUZRデータを比較し、より適切な評価法に近づける材料にするつもりだ。

現代的な守備シフト以外でも、弊社では今季から一部において守備位置の記録を始めている。そのデータも併せて、シーズンオフにはアナリストらと適切な守備評価について検証を進めたい。


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