ポジション別wRAAとは:同じ打席数をリーグの同ポジションの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたか、または減らしたか。ポジション平均の打者であれば0。3.0であれば同ポジションの平均より3点多く打撃でチームの得点を増やしたと考えることができる。この表を見て、攻撃面の強みがどのポジションにあるのか、各チームの状況の把握に役立ててほしい。先週(5月8日)時点のポジション別攻撃力は
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パ・リーグポジション別攻撃力
楽天は数少ないマイナスのポジションである遊撃に、茂木栄五郎を故障からの復帰後即起用。昨季は遊撃を守ることがほとんどなかったため方針転換が生まれている。遊撃には、昨季終盤からレギュラーに定着した山﨑剛らが守っていたが結果を残せず、茂木がそのまま入ったかたちだ。ソフトバンクは指名打者の攻撃力がリーグトップ。ただこれは負傷から復帰した柳田悠岐が一時的に入っているためで、このポジションに優れた選手がいるという話ではない。西武の二塁は外崎修汰だ。2019年には26本塁打を放ち、長打力を表すISO(Isolated power)で.220を記録したが、翌年から本塁打数が急激に減少。今季もここまでわずか1本塁打でISOは.106に落ち込んでいる。
オリックスは捕手の伏見寅威が先週、打率/出塁率/長打率で.500/.571/.833の活躍。5月8日時点で-2.8だった攻撃力を1.4に押し上げている。ロッテは髙部瑛斗の打撃が振るわず左翼の攻撃力が落ち込んでいる。打率は.261と悪くないように見えるが深刻なのは長打力不足だ。今季はここまで長打全体の総数がわずか3本。ISOは.031に低迷している。しかし守備面では、左翼UZR(Ultimate Zone Rating)が5.0と素晴らしい値を記録している。日本ハムは全体を通して平均レベルではあるが、昨季から比べると大幅なレベルアップを果たしている。ここ数年の長打力不足から一転、チームISOは.136でリーグトップと、長打力に強みが生まれているようだ。
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セ・リーグポジション別攻撃力
ヤクルトは一塁のホセ・オスナが不調。一塁の攻撃力はリーグワーストとなっている。広島は捕手の攻撃力がリーグトップ。今季も坂倉将吾と會澤翼の併用体制は続いているようだ。読売は右翼の新外国人グレゴリー・ポランコが好調である。先週の打率/出塁率/長打率は.579/.619/1.000を記録。5月8日時点で-0.7だった右翼の攻撃力をリーグトップの4.1まで上昇させている。
中日はアリエル・マルティネスの活躍で左翼がリーグトップの攻撃力となっている。先週は打率/出塁率/長打率で.524/.600/1.095を記録。この活躍もあってか、長年4番を努めているダヤン・ビシエドに代わり4番でも起用されている。DeNAは昨季大きな弱点となっていた捕手と遊撃がここまでほぼ平均レベルに。しかしこれは相対的に見た他球団との比較である。ここまで他球団は昨季ほどの攻撃力を発揮できていないため、DeNAが上昇したように見えているのだ。引き続き課題は残っている。阪神は一塁で昨季大きな強みを作っていたジェフリー・マルテが5月10日から復帰。ここから挽回となるだろうか。
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