• 1.02 Column


これまで1.02では選手の各ツールに20-80スケールで点数をつけるスカウティングリポートを掲載してきた。だがこのスカウティングノートでは、フルのスカウティングリポートには至らない、各選手のメモ的な短評を掲載する。


根尾昂(中日)



2019年春のプロスペクトランキングにおいてDean Steinman氏がコメントしていたように、投球の認識能力は高卒ルーキーとしては目を見張るものがある。ただ一軍の平均以上のオフスピードピッチ(チェンジアップやフォークなどの抜いた球種)に対してはいとも簡単に体勢を崩されていた。この点はまだまだ成長の余地ありだ。スイングの速さも平均以上だが、ホームランを量産するというよりはラインドライブで二塁打を多く打つタイプのように思える。

遊撃守備に関しては、致命的な穴はないが、自分の左側(定位置から二塁方向)の打球を処理する際のフットワークにやや難点があるように見えた。球界最高の守備力を持った遊撃手に成長する、というのは少し想像しがたい。もしかしたら三塁のほうが向いているかもしれない。高校時代に投手として150km/h前後を記録した強肩は、もちろんどちらのポジションをこなすのにも十分だ。


藤原恭大(ロッテ)



打席では平均以上のバットスピードを見せるなど多大な才能を感じさせるものの、現時点では弱いゴロ打球が多い。大半がゴロや低いライナーになる打球の傾向は、先日スカウティングリポートを掲載した西川愛也(西武)に通ずるものがある。ただ西川と違い、こちらは高確率で平均かそれ以上のレベルの中堅手になることが見込める。打撃が劇的に成長しなくても、高い守備力でチームに貢献できるレギュラーに成長するだろう。


安田尚憲(ロッテ)



高卒2年目とは思えないほど身体は完成されており、とくに上半身の筋肉はまるでギリシャ彫刻のように発達している。当然のことながら、平均を大きく上回るパワーを秘めており、スイングの速さと相まって、本塁打数においてコンスタントにリーグ上位に君臨するポテンシャルの持ち主だ。ただ、投球の認識能力はまだまだ改善の余地があり、私が見た10数打席では一軍レベルのオフスピードピッチへの対応に苦しむ場面もあった。三塁の守備に大きな穴はないが、ライン際の打球を処理する際のフットワークはこれから磨く必要がある。


西巻賢二(楽天)


二遊間のどちらのポジションでも堅実な守備を見せる。身体能力もセンターラインを務めるには十分だ。打席ではストライクゾーンを把握し、明確なアプローチを持って打席に臨んでいることがうかがえる。167cm、68kgと小柄ながらパワーも皆無なわけではなく、右中間、左中間を破り長打を放つ場面もある。まだまだ一軍レベルのピッチャー相手には圧倒されているが、将来的、具体的には3-4年以内には堅実なユーティリティーか、平均をやや下回る二遊間のレギュラーに成長するだけの才能の持ち主だ。


万波中正(日本ハム)


私はここまで3打席しか見ていないが、プロの投手相手に苦しんでいる様子がうかがえた。塁上でも状況判断ができていない走塁が見受けられる。左翼の守備もスピードや身体能力の面では問題ないのだが、カットオフまできちんと返せない場面があった。送球が山なりになる癖があるようだ。身体能力の高さといい秘められた才能は非常に素晴らしいが、まだまだ粗削りなことは否めない。


野村佑希(日本ハム)


右打席からスムーズでコンパクトなスイングを見せる。将来的にはリーグ平均を上回る攻撃力を持つ打者に成長できる素材だ。守備面では限られた守備機会しか見られなかったが、平均的な三塁手になるだけの才能はあるように見えた。



山崎 和音@Kazuto_Yamazaki
バイリンガルに活動するライター。1.02以外にもBeyond the Box ScoreBaseball Prospectusといったウェブサイトに寄稿。BP Anuall 2018では日本野球に関するチャプターを執筆。セイバーメトリクス的視点からだけではなく、従来のスカウティングを駆使した分析もする。趣味のギターの腕前はリプレイスメント・レベル。


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