ポジション別wRAAとは:同じ打席数をリーグの同ポジションの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたか、または減らしたか。ポジション平均の打者であれば0。3.0であれば同ポジションの平均より3点多く打撃でチームの得点を増やしたと考えることができる。この表を見て、攻撃面の強みがどのポジションにあるのか、各チームの状況の把握に役立ててほしい。先週(6月12日)時点のポジション別攻撃力はこちらから

パ・リーグポジション別攻撃力


pict

首位に浮上したソフトバンクは、左翼のジュリスベル・グラシアルが好調だ。先週は打率/出塁率/長打率で.500/.556/1.625を記録。来日以来、毎年のように負傷で欠場していたが、今季はここまで全試合出場を続けている。楽天は茂木栄五郎が復帰。先週は三塁で起用され、打率/出塁率/長打率は.364/.364/.909。復帰後好スタートを切った。ロッテの二塁は中村奨吾。今季も一定レベルの攻撃力を見せているが、昨季に比べると振るっていない。

西武は森友哉が復帰したが、捕手のレギュラーに固定していない。ただ森の調子を戻し、常時捕手として出場させることが何よりもチーム力を向上させるはずだ。オリックスは安達了一がここまで打率/出塁率/長打率で.313/.396/.363と素晴らしい攻撃力を発揮。しかし出場機会が少なく、安達の守る二塁の攻撃力は大きな弱点になっている。日本ハムは大きな弱点はないが、全体で見るとチーム出塁率は.284。これは12球団でワーストの値だ。

先週時点(6月12日)のポジション別攻撃力はこちらから


セ・リーグポジション別攻撃力


pict

ヤクルトは中堅の塩見泰隆が素晴らしい活躍。ここまでは打撃にとどまらず走塁、守備でも素晴らしいはたらきを見せ、総合指標WAR(wins above replacement)の評価では、佐々木朗希(ロッテ)を上回り、投手・野手あわせ12球団トップの値を記録している。読売は今季打撃好調な吉川尚輝が守る二塁の攻撃力が平均レベルにとどまっている。これは牧秀悟(DeNA)、山田哲人(ヤクルト)など、二塁手の攻撃力がかつてないほどに高まっているためだ。阪神は一塁の大山悠輔が絶好調。先週は3試合で3本塁打を放ち、打率/出塁率/長打率は.375/.615/1.500を記録。6月12日時点で1.6だった一塁の攻撃力を5.3に押し上げている。

広島は捕手の會澤翼が活躍を見せている。交流戦終了時点まで本塁打がなかったが、先週だけで2本塁打の活躍。打率/出塁率/長打率は.625/.667/1.375を記録している。中日は打力のある捕手を多く抱えている。木下拓哉を捕手に据えながら、アリエル・マルティネス郡司裕也をほかのポジションのスタメンで起用することも多くなった。DeNAは昨季、リーグ最高レベルの攻撃力を見せた右翼の攻撃力が平均レベルに。タイラー・オースティン離脱の穴は大きいが、平均で堪えているだけ選手層の厚さを感じる。

先週(6月12日)時点のポジション別攻撃力はこちらから

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocketに追加

  • アーカイブ

執筆者から探す

月別に探す

もっと見る