• 1.02 Column



今年からプレーする新外国人投手で、純粋な先発投手は意外にも少ないが、メジャーで実績を残した投手から、マイナーでの元有望株などバラエティに富んでいる。そんな投手たちを一挙紹介したい。



先発として最も実績のある投手は、ヤクルトに入団したロス・オーレンドルフだ。

2009年にパイレーツで176.1回を投げ11勝を挙げた実績があるがその年のK/9 5.55、翌2010年も108.1回でK/9 6.56と三振奪取力に欠けていた。しかし、スライダーの威力は一級品で、規定投球回に達した2009年にはティム・リンスカム、クレイトン・カーショウといったサイヤング賞投手よりも効果的なスライダーを投げていた。

2015年からリリーフに回り、昨年はレッズで64試合に登板し、65回で61奪三振を記録した。多彩な変化球を操る投球術にさらに磨きがかかり、スライダーに加えてチェンジアップも多投するようになり、こちらも威力のある武器となった。傾向としてはフライボール投手であり、狭い神宮では打球管理に一層の注意が必要だ。



オリックスが獲得したのがフィル・コークだ。実はコークとオーレンドルフは2008年にヤンキースでチームメイトであり奇しくも同じ年に今度は日本でプレーすることになる。

メジャーでの先発投手としての実績は2011年に14先発登板をしたことだ。この年は14先発登板で1勝7敗。74 2/3回で奪三振37、与四球30、防御率4.82と低調な成績に終わり、7月以降はリリーフとして起用されている。

リリーフとしては34回で奪三振32、与四球10、防御率3.71と持ち直したため、その後はメジャーでは先発登板の機会は巡ってこなかった。昨年はAAA級インターナショナル・リーグ(IL)で11回の先発登板で55 2/3回で奪三振47、与四球10、防御率は1.46と優秀な成績を残した。

これには理由があり、実は昨年の先発登板はすべて投手有利の球場(5球場)で投げていたからであった。投球スタイルは威力のあるチェンジアップを武器に、ゴロを打たせるスタイルだ。オリックスが本拠地とする京セラドーム大阪は投手有利の球場であり、地の利を活かした投球を披露したい。



続いて紹介するのが、ヤクルトが獲得したデービッド・ブキャナンだ。

2014年にフィリーズで20試合に先発登板し、6勝8敗、防御率3.75の成績を残した。この年はチェンジアップが冴え、100イニングス以上投げた中では、フェリックス・ヘルナンデス、コール・ハメルズ、ジョニー・クエト、スティーブン・ストラスバーグ、クリス・セールといったメジャー有数の好投手らに次いで、メジャー9位のチェンジアップだったというデータが残っている。

そのチェンジアップが2015年にはマイナス評価となってしまい低迷、結果的に昨年はメジャー昇格を果たせずAAA級ILで167 1/3回で防御率3.98、奪三振95を記録した。他にもカッター、カーブと多彩な変化球でゴロを打たせる能力に長けており、狭い神宮球場での活躍が期待される。



先発での役割が期待されるのが中日が獲得したエルビス・アラウホだ。

先発での実績は2012年のA級での登板にとどまっているが、本人が先発を希望しているという報道も流れている。ここ2年はメジャーで62イニングスで63奪三振と実績を残しているが、不安な点もある。それは先発では、リリーフ時と比較すると奪三振率が低くなる傾向にあることと、合計36四球も与える(BB/9 5.23)コントロールの粗さだ。

前述の通り、最後の先発実績となった2012年のA級でのシーズンでもBB/9 4.07であり、球数がかさみ早めに降板ということになってしまうと、リリーフ陣への負担が避けられなくなってしまう。その辺が悩みどころだろう。外国人投手に先発を任せるのであれば、バルデスと再契約に成功したジョーダンに任せ、球威のあるアラウホにはブルペン待機という方が向いているかもしれない。

昨年は極端にフライボール投手の様相を呈していたが、最大の武器であるチェンジアップを駆使し広いナゴヤドームで堂々のピッチングを披露したいところだ。



DeNAが獲得したのがジョー・ウィーランドだ。

ウィーランドはメジャー通算12試合の登板のうち、10試合に先発登板している。マイナーでは一昨年、昨年と2年連続でPCLで2桁勝利をあげる活躍を見せている。

速球の平均球速が90.5MPH(144.8km/hr)と決して速い方ではない。三振奪取能力も高くなく、打球管理にも特徴的なことなく、すべてが平均的な投手と言える。



西武が獲得したのはサウスポーのフランク・ガルセスだ。

2013年A級までは先発投手として実績を重ねていた。球威があり、三振奪取能力が高いことが評価され、翌年にリリーフに転向した。

AA級で65 1/3回で74奪三振と大活躍したことで、8月に2階級特進しメジャー昇格を果たした。メジャーで15試合に登板し9イニングスで10奪三振、与四球1と大活躍をし、2015年は開幕メジャー入り。何度かマイナー落ちを経験するものの、ほぼ通年メジャーの舞台で投げ続けた。だが、首脳陣の信頼を得るまでには至らず、大差でのリードしている場面やリードされている場面での登板が大半だった。シーズン最終戦に先発の機会をもらったが、2イニングスで被安打2、失点2と期待に応えられなかった。

昨年はメジャー昇格することはなくAAA級PCLでプレーしシーズン途中から先発に転向した。リリーフでは25回 25奪三振 9与四球 被打率.213 防御率2.88だが、先発では89 1/3回 73奪三振 30与四球 被打率.295 防御率4.84だった。また、リリーフのときはかなり極端なゴロボール投手だったが、先発登板時にはややフライボール投手傾向にあった。スライダー、カーブ、チェンジアップと変化球は数種類投げるものの、メジャーレベルでは通用しなかった。日本では先発として期待されるも途中からリリーフ転向も十分にあり得る。



日本ハムが獲得したのはヴェネズエラ出身のサウスポーのエドウィン・エスコバーだ。

マイナー通算158試合のうち85%にあたる135試合が先発登板であるだけでなく2014年にはオールスター・フューチャーズ・ゲームの世界選抜にも選ばれたように将来を嘱望されていた逸材だ。

2014年からAAA級やメジャーでプレーしているが、AAA級通算で286回で205奪三振、与四球107と制球力に難があると言える。昨年はメジャーの舞台でも23 2/3回で17奪三振、与四球12と物足りなさが残った。スタイルはわずかにゴロボール投手傾向となっている。まだ24歳という若さであり、制球力や打球管理能力が日本で向上すれば活躍する可能性も高いと考えられる。



今年の新外国人選手で最も変わった経歴の持ち主が西武が獲得したアレクシス・キャンデラリオだろう。

昨年はアメリカの独立リーグのアトランティック・リーグ、メキシカン・リーグ、そしてイタリアのプロ・リーグで合計22試合のうち21試合に先発登板した。K/9はリーグによってバラツキがあるが、BB/9は概ね一定していることを考えると、打者のレベルによって奪三振力が大きく変化しているのだろうと思われる。


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イタリア・リーグでのK/9 12.67はリーグ・トップだったが元・阪神のダーウィン・クビアン(43歳)がK/9 10.33を記録できるリーグであることを考えると、果たして真の実力はいかがなものか。実は西武は、小野剛やG.G.佐藤などイタリア・リーグとの交流が過去にもあり、もしキャンデラリオが活躍するようであれば、新たな外国人選手の供給ルートとして注目を集めるようになるかもしれない。3月に開催するWBCに出場するイタリア・リーグの選手とともにチェックしてみたい、ある意味今シーズンの最注目選手とも言えるだろう。

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