• 1.02 Column



6/20を持って交流戦が終了。セ、パ両リーグの対戦成績はパの60勝47敗1分に終わり、2010年以降6年連続で交流戦勝ち越しを決めました。セ・リーグのファンにとっては、またしても残念な結果となりましたが、興味の大半はこの後のペナントレースにあるといっても良く、リーグ全体で13個もの借金を背負ったセ・リーグは、今シーズンも混戦になる可能性が高くなりました。反対に、パ・リーグは交流戦を通じて大きく勝ち越した球団が優勝争い、CS争いでも有利になり、明暗が分かれています。





<セ、パ両リーグの順位おさらい>



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セ・リーグで唯一、交流戦の勝ち越しに成功した広島は、リーグ有数の戦力を活かし、6/17からのオリックス3連戦では全て逆転勝ちと勢いに乗っています。連勝の立役者は、何といっても鈴木誠也選手。オリックス戦で3試合連続本塁打、しかもサヨナラ、逆転サヨナラ、勝ち越しとチームに勝利を呼び込みました。6/12の楽天戦で鈴木選手は、同点の延長11回に走者を置いて打席が回ってきたものの、犠打のサインが出てしまい殊勲者にはなれず、チームもサヨナラ負けを喫しました。17日のオリックス戦も無死2塁とバントの指示が出ても不思議ではない場面でしたが、ベンチからサインは出ず、その結果見事な決勝弾となりました。これまで、接戦に弱いとされてきた広島の戦い方に、鈴木選手の長打で勝ち越しを狙うという選択肢が出来たことは、今後のペナントレースでも武器になるでしょう。


2位以下は全て勝率5割未満。巨人はソフトバンク、中日と阪神はロッテ、DeNAはソフトバンクと楽天を相手に3連敗を喫し、リーグ全体の勝率が軒並み下がりました。交流戦の平均得点は、パ・リーグの3.94に対しセ・リーグは3.13と大きく水を開けられました。試合数に開きがあるため、簡単に比較することは出来ませんが、交流戦突入前の各リーグの平均得点はパ・リーグが4.31、セ・リーグは4.04でした。どちらも得点力が下がったことに違いはありませんが、セ各球団の打線がパの投手陣に封じ込まれた印象です。


今後のペナントレースは、独走態勢に入りつつある広島を止める球団がでてくるかに注目が集まります。気持ちの面では一日でも早く追いつきたいところでしょうが、土壇場になって息切れしてしまっては何の意味もありません。DeNAは、新人王の有力候補でもある今永昇太投手を1軍登録から抹消し、コンディションを優先する形を取りました。その他の球団も、オールスター前までに勝率5割を何とか確保すれば、後半戦追いつく可能性はじゅうぶん残されています。


パ・リーグは、交流戦で2年連続優勝を果たしたソフトバンクが盤石の体制。セ・リーグ各球団との対戦でさらに弾みをつけました。この期間でわずか4敗だったソフトバンクは、先発投手がリードを許したまま降板した試合は2試合しかなく、6/2の中日戦以降の14試合は全て先発陣がリードを保つか、或いは同点のままリリーフ陣に繋ぎました。先発の出来が、高い勝率に結びつきました。


2週間前に7.5差も開いていたゲーム差から何とか離されずに済んだロッテは、優勝争いでの不利は変わらないものの、交流戦で6つの貯金を作ったことによりCS争いでは一歩リードしました。西武以下Bクラスの3球団は苦しい状況が続いており、特に交流戦で5勝13敗と大きく負け越したオリックスは、楽天と入れ替わりリーグ最下位に転落。6/3の中日戦で5敗目を喫した金子千尋投手が、右肩痛により戦列を離れ、復帰は7月に入ってからとされています。これ以上負けが込むようだと、来季以降の戦力を試す必要もありそうです。


今週は、6/24の公式戦再開まで3~4日の休養期間が設けられています。ここでコンディションを上手に整えおくのも、ペナントレースを戦う上で大切なことでしょう。





<各球団の戦力値>

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戦力差がやや開いてしまったセ・リーグは、広島がチーム本塁打数をさらに伸ばし、先発防御率の引き下げに成功しています。得失点差を見る限り、他の5球団が広島に追いつくには打線の強化だけでは間に合わず、投手陣の整備と守備の強化が条件となってくるでしょう。現在2位の巨人は、交流戦から阿部慎之助選手が戦列に復帰、今週からマイコラス投手が1軍に合流する話も出ています。リーグ5番目に位置する得失点差-0.66を何とか改善し、なおかつ負荷の掛からない選手運用が求められます。


DeNAは投手力で広島を上回り、打線は左足親指骨折により戦列を離れているロペス選手の復帰以上に、不振を極めている梶谷隆幸選手の復調が重要。若手がひしめく外野陣で、リーダー的な存在が欲しいところですが、対戦投手の左右によりスタメンを使い分けている今の状況だと、レギュラーを固定するにはまだまだ時間が掛かりそうです。


阪神は、交流戦で本塁打がさっぱり出なくなってしまい、苦しい試合が続いています。チーム41本塁打のうち、32%に相当する13本塁打を記録するゴメス選手の不調が大きかったことは確かですが、一発を期待出来る選手が限定され、ほぼ毎試合変わる苦心のオーダーも得点力アップにはつながりませんでした。開幕直後の阪神は、リーグトップクラスの本塁打を叩き出していましたが、超変革と称される若手起用に陰りが見え始めるとその後は数が伸びなくなり、現在はセ・リーグ最小にまで落ち込んでしまいました。このレビューを配信する2週間置きの間隔で集計したチーム本塁打数を見ると、4月後半から本数を伸ばしてきた広島や、毎週コンスタントに本塁打を記録してるヤクルト、巨人との違いがはっきりと出ています。


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また、本来なら得意とするはずの本拠地主催試合で、阪神は本塁打が出ない状況に苦しんでいます。交流戦に突入する前のリーグ公式戦でも、本拠地での本塁打は1試合につき0.46本。敵地での0.96本の約半分の割合でした。これが交流戦に入り、パ・リーグの広い球場に対し本塁打がさらに出なくなりました。球場によって本塁打が飛び出す確率に極端な差が生じている阪神打線、超変革の完成はまだまだ遠いようです。



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パ・リーグ各球団の戦力値は、依然としてソフトバンクの優勢が続いていますが、交流戦を11勝7敗と勝ち越した楽天が徐々に戦力をアップさせています。ドラフト1位ルーキーのオコエ瑠偉選手がスタメンで起用され始めたのも交流戦開始となる5/31の阪神戦からで、打撃ではまだまだ成長の必要を感じさせるものの、守備では早くもチームに貢献しています。オコエ選手の守備は、守備範囲を基本とする打球処理に強みを持ち、中堅手としては両リーグ4番目となるUZR4.5を記録。打球処理に関しては、駿太選手(オリックス)に次ぐ2番目の数字を残しています。


楽天は他にも、3年目の内田靖人選手が6/16の巨人戦でプロ初本塁打を記録。6/12の広島戦では、オコエ選手をはじめ茂木栄五郎選手、足立祐一選手、吉持亮汰選手ら4人のルーキーがスタメンに名を連ね、チームの変革を予感させます。オリックスも、6/14の阪神戦から3年目の奥浪鏡選手をはじめて昇格させ、その試合でさっそく2安打の活躍。こうした若手の起用は、チームの勝敗及び戦力値には出難い現象ではありますが、今後はそうした点にも注目が必要です。





<公式戦再開後の先発ローテーションを予想>



リーグ公式戦再開はセ、パ両リーグとも6/24からの予定ですが、この時点で各球団は先発ローテーションの再編が課題になります。オールスターゲームまでのおよそ半月に渡る短い期間ですが、対戦相手に沿った投手を起用してくることが予想されます。そこで今回は、各球団のローテーションを予想し、どんな戦いになるかを占ってみましょう。



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ソフトバンクのリーグ戦再開後の第1戦は、交流戦でも活躍した東浜巨投手の先発が有力。1軍登録を抹消した関係で、千賀滉大投手は次のロッテ戦に回ることがほぼ確定しています。ポイントになるのは6/25の楽天戦となりますが、休養のため1軍登録を外れているバンデンハーク投手、ファームで調整中の攝津正投手と大隣憲司投手らが候補ですが、バンデンハーク投手は5/31以降マウンドに上っておらず、ファームの試合で調整登板が必要になるものと思われます。


ロッテは6/27からのソフトバンク戦に照準を合わせたいところで、今回も涌井秀章投手を中5日で持って来ることを予想しました。石川歩投手との二枚看板で、少しでも差を詰めて置きたいところでしょう。日本ハムは、大谷翔平投手を日曜日に起用することで投打二刀流を両立させてきましたが、大谷投手は6/19の阪神戦で自打球を右足すねに当ててしまい、状態が心配されるところ。しかし、栗山英樹監督は報道陣に対し、二刀流の継続を明言しているようです。そのため、大谷投手は6/27の西武戦で起用した後、7/1からのソフトバンク3連戦では打者として出場するプランも出てきました。


ロッテは6/27からのソフトバンク戦に照準を合わせたいところで、今回も涌井秀章投手を中5日で持って来ることを予想しました。石川歩投手との二枚看板で、少しでも差を詰めて置きたいところでしょう。日本ハムは、大谷翔平投手を日曜日に起用することで投打二刀流を両立させてきましたが、大谷投手は6/19の阪神戦で自打球を右足すねに当ててしまい、状態が心配されるところ。しかし、栗山英樹監督は報道陣に対し、二刀流の継続を明言しているようです。そのため、大谷投手は6/27の西武戦で起用した後、7/1からのソフトバンク3連戦では打者として出場するプランも出てきました。



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セ・リーグ各球団は、当分の間は苦しい運用が続きそうです。広島は、1軍登録を抹消した野村祐輔投手と黒田博樹投手を再登録可能な日に先発を設定。6/30のヤクルト戦は、ジョンソン投手を中5日で起用する選択もありますが、6/17のファーム公式戦で完投勝利を飾った福井優也投手の復帰が現実的。右肘内側側副靱帯部分損傷によりリハビリが続いている大瀬良大地投手が戻ってくれば、先発陣はさらに厚みを増しそうです。


巨人は、6/21に1軍へ合流する予定のマイコラス投手に期待が集まります。ファームでは6/17のイースタン・楽天戦で7回2失点と好投し、中7日空けて6/25のDeNA戦に登板することが濃厚。これまで苦しかった先発陣の運用も、内海哲也投手や大竹寛投手らの復帰と合わせかなり改善されました。中日は、交流戦から復帰した大野雄大投手を軸にローテーションを編成。ドラフト1位ルーキーの小笠原慎之介投手もセ・リーグ各球団にとって未知数な存在。反撃の舞台は整ったといえるでしょう。


阪神は、6/24にメッセンジャー投手を先発させると、オールスター前までに4度起用することが可能。先発の谷間が出来てしまうことを覚悟で、勝ちを拾える試合を増やしたいところでしょう。DeNAは今永投手の再昇格がポイントで、6/28以降から再登録が可能になりますが、ラミレス監督は7/5から予定される9連戦まで休養させる考えかもしれません。先発陣が火の車のヤクルトは、6/19のイースタン・ロッテ戦で完封勝利を飾った原樹里投手をまずは復帰させ、その後のプランはまだ見えて来ません。後半戦を睨み、ファームで調整中の館山昌平投手、八木亮佑投手らを上手く使っていかないと、シーズンを乗り切れるかどうかもわからない状態です。

各球団の指揮官は、オールスター時点で最低でも勝率5割を目標に、後半戦に繋げたいと考えているに違いありません。それまでの間、どんな戦いが見られるでしょうか。

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