• 1.02 Column


今秋のドラフト会議において、ロッテからドラフト1位指名された鈴木昭汰。東京六大学秋季リーグでは、楽天が指名権を得た早川隆久(早大)と13三振を奪いあう壮絶な投手戦を演じた。今回はDELTAアナリストの山崎和音氏が鈴木について、MLBのスカウトが評価に用いるる20-80スケールでのリポートを作成した。各グレードにどの程度の選手が該当するかは以下の記事を参考にしてほしい。
選手評価の20-80スケールをNPB選手に当てはめるとどうなるか

選手プロフィール


名前:鈴木昭汰 (すずき しょうた)
生年月日:1998年9月7日
投/打:左/左
身長:175cm
体重:81kg
経歴:常総学院-法政大-ロッテ(2020年ドラフト1巡目)
現地観戦日:2020年10月24日

体格及びメカニクス


投手としては小柄な体格で、今後劇的な身体的成長があるとは考えにくい。

両手を頭の後ろに持っていくフルワインドアップのフォームから投球動作を行う。テイクバック時には身体がやや二塁方向に倒れこみ、前腕は斜め上方に大きく伸ばすフォームからボールを投げ込む。アームスロットは高めのスリークォーター。下半身を使っての体重移動はできているが、全体的にフォームにやや硬さがみられる。また、最高球速を狙ってギアを上げた際に明らかに普段よりも力を加えることもあった。


速球


常時143-147 km/hほど(※1)で、最速は150 km/hを記録する。ボールの伸びは一軍平均レベルかやや下回る程度。ほかに2シーム気味にアームサイド(利き手側)に沈んだり、カッターのように右打者の内角に食い込む変化を見せるボールもあるが、ここでは1つの球種としてまとめている。プロレベルで投球の軸とするには、時折制球が乱れることと、セットポジションで球速が落ちる癖を克服する必要がある。


将来のグレード:45
 

スライダー


球速帯は125-129 km/hほど。打者から見て時計の針の1時から7時方向に鋭く変化し、奥行き(打者から見てどれだけ近くで曲がり始めるか)も十分なボールだ。時折甘くなる場面もあるが、基本的に低めに集めることができ、左右どちらの打者からも空振りを取れる。現状で一軍レベルにある球種だ。


将来のグレード:50
 

チェンジアップ


球速帯は128-132 km/hほど。質のいいものは一軍平均レベルの落差とアームサイドへの動きを見せるが、非常に不安定でただの棒球となってしまう場面が多い。安定して高品質のものを投げられるようになれば投球の幅が広がるが、実際にそこまで成長するかを考えると大きな疑問符が付く。


将来のグレード:40

カーブ


球速帯は100 km/h台中盤で、大きな弧を描く。単なる見せ球にすぎず、プロにおいて武器となる可能性のある球種ではない。加えて、今後大きくステップアップする可能性もほぼないだろう。


将来のグレード:30

総合評価


総合的に見ると、現状、一軍レベルで通用すると断言できる球種がスライダーしかない。前述したように、チェンジアップの安定性が先発を務められるかどうかの鍵となるが、その可能性は高くはない。年齢と体格から判断して、全体的な球速が今後伸びるとは考えにくいし、制球力の向上も現在の投球フォームでは難しいだろう。何より、イニングごとにまったく異なる投手に見える不安定さが目についた。育成がうまくいけば先発ローテーションの4-5番手として通用するが、最も可能性が高いシナリオは速球とスライダー中心のリリーバーだろう。ただし、速球の項目で述べたように、セットポジションで球速が落ちる問題を改善する必要がある。また、高校時代から球数を多く投げ込んでいるので、投手には付き物の怪我のリスクもある投手だ。


現実的なシナリオ:40(平均的なリリーバー)
OFP:45 (先発4~5番手、もしくは勝ちパターンのリリーバー)


(※1)球速表示はすべて神宮球場のガンの計測に基づく

山崎 和音@Kazuto_Yamazaki
バイリンガルに活動するライター。1.02以外にもBeyond the Box Score や、 Baseball Prospectus といったウェブサイトに寄稿。 BP Anuall 2018では日本野球に関するチャプターを執筆。セイバーメトリクス的視点からだけではなく、従来のスカウティングを駆使した分析もする。趣味のギターの腕前はリプレイスメント・レベル。
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