ポジション別wRAAとは:同じ打席数をリーグの同ポジションの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたか、または減らしたか。ポジション平均の打者であれば0。3.0であれば同ポジションの平均より3点多く打撃でチームの得点を増やしたと考えることができる。この表を見て、攻撃面の強みがどのポジションにあるのか、各チームの状況の把握に役立ててほしい。先週(7月4日)時点のポジション別攻撃力はこちらから

パ・リーグポジション別攻撃力


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オリックスは遊撃の攻撃力がマイナスに突入。シーズン序盤に安達了一の好調でつくった利得を食いつぶしてしまった。チームは 紅林弘太郎の起用にこだわりを見せているが、優勝争いの中で課題のポジションになっていることは違いない。楽天は二塁・浅村栄斗にようやく長打が多く生まれるように。6月はチームISOが.107で12球団ワーストと長打力不足に苦しんだが、7月に入り浅村だけでなくチームの長打ペースが上がってきた。

ロッテは3日から中堅に起用している藤原恭大が大当たり。これが継続できれば、荻野貴司レオネス・マーティン角中勝也らによりすでに優秀な外野陣の厚みがさらに増すことになる。ソフトバンクは捕手・甲斐拓也が不調。例年このポジションでは、攻撃面でも一定の差をつくっていたが、今季は他球団に対し強みとなっていない。

西武は山川穂高呉念庭らが守る一塁が攻撃面でチームの強みに。しかし山川は今季も2016-19年ほどの得点への影響力を取り戻せていない。日本ハムは遊撃も攻撃面の大きな弱点。石井一成今季守備面で一定の成果を見せているが、打撃に長所のない選手が多い遊撃の中で見ても攻撃力不足は否めない。

先週(7月4日)時点のポジション別攻撃力はこちらから


セ・リーグポジション別攻撃力


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阪神は新人の遊撃・中野拓夢が健闘。鳥谷敬が遊撃から外れてから攻守に弱点となることが多かったポジションだが、今季は攻守ともに平均レベルをキープしている。読売は右翼・梶谷隆幸が骨折により離脱。昨季ほどのレベルではないものの、攻守いずれも一定のはたらきを見せていただけに長期離脱はダメージが大きい。

ヤクルトは9日の広島戦で内川聖一がサヨナラ安打を放つなど、代打陣のはたらきが目立つ。ここまでセ・リーグの平均的な代打が同じだけ打席に立った場合に比べて、3.7点多くチームにもたらしていると推定できる。中日は一塁のダヤン・ビシエドが今季も安定したはたらき。バンテリンドームという極端な打低環境を跳ね返し、今季も一塁のポジションで平均を上回る活躍を見せている。

DeNAは高卒2年目の森敬斗が遊撃スタメン入り。ファームで遊撃を536 1/3イニング守りUZRが6.1と守備面には期待がもてそうだ。打撃面でも穴を塞ぐ活躍はできるだろうか。広島は鈴木誠也が今週5試合で3本塁打。ややスロースタートなシーズンとなったが、今季もwOBA.417と、例年に近いレベルにまで戻してきた。

先週(7月4日)時点のポジション別攻撃力はこちらから

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