DELTAをご支援いただいている皆さま、いつもありがとうございます。セミナーシリーズ 「リーダーズ・オブ・ベースボール・オペレーションズ 2019」は、7月22日(月)に本年度第4回を実施いたします。今回ご登場いただくのは、世界中のアスリートやコーチングスタッフによって用いられている映像解析ソフト「ダートフィッシュ・ソフトウェア」などの日本での展開を行っておる株式会社ダートフィッシュ・ジャパン取締役常務の藤井透さんです。
お席にはまだ若干の余裕がございます。ご予約はこちらから。
今回も6月24日(月)に行われた第3回にご登壇いただいた、金沢星稜大学人間科学部教授でオリックス・バファローズの球団本部戦略データグループの一員として活躍されている島田一志先生のお話と、次回登壇される藤井さんとダートフィッシュが果たしている役割などのご紹介をさせていただきます。
自動取得される数多くのデータ。それを解釈するための“ものさし”を持てるか
現在は大学のある金沢、球団の本拠地である大阪・神戸、また自宅があり研究活動でも訪れる筑波と3つの拠点を行き来する多忙な生活を送る島田先生。当日もバファローズがビジターゲームを戦っており、その動向も気にしながらの講演となりました。
お話は2016年にスタッフとしてバファローズに加わってから関わってきた業務それぞれがどのようなものだったのかの説明からスタート。当初行っていた盗塁の分析に関するエピソード、現在取り組む打撃の分析の難しさなど現場業務に関わる方ならではのお話は、非常に惹きつけられるものがありました。また取り扱っている映像やトラックマンデータをどう解釈しどのような形でコーチ陣に伝達しているか、つくっているリポートの形式に関するお話なども貴重なものではなかったかと思います。
実際の業務の話を終えた後は、島田先生自身がどのようなスキルを持っているかの解説へ。語学や物理学といったベースとなるもの、取り組んだ研究から学んだことなど紹介するパートはこれから球界を目指す方にとっての指針となったはず。これまでの手がけた研究で得た知見、また大学教員ということもありリーチしやすい学術論文などを活用して“ものさし”を見出し、上がってくる映像やデータなどから見解を導けていることが自分の強みなのだろうという言葉には、参加された皆さんもうなずかれていました。
分析を手がける者として心がけていることとしては「自分の作用でチームや選手のパフォーマンスを向上させようとしてはいけない」「自分が生き残る、手柄を立てるためにやっては(仕事をしては)いけない」といった言葉が。島田先生のお話の随所に感じられたのは、野球選手やスポーツに対する心からのリスペクトでした。これらは球界に科学を持ち込み優れた仕事をする上で、非常に大事なことであるようにも感じました。
講演終了後は、特に若い方々が島田先生を囲んでお話しされていて、非常に盛り上がっていました。貴重なお話をありがとうございました。
「こういう分析がしたい」に多角的に応え、球界の分析力向上を支えるキーマンが登壇
7月22日(月)19時より東京・品川で行われる「リーダーズ・オブ・ベースボール・オペレーションズ2019」の第4回には、前述の通り株式会社ダートフィッシュ・ジャパンの取締役常務・藤井透さんをお迎えします。
現在数多くの球団で採用されているというダートフィッシュですが、藤井さんは「コミュニケーションツール」とも表現されています。セイバーメトリクスやトラックマンなどを用いて新たに取得されるようになったデータやそれを用いた分析結果は、それだけで現場の選手やコーチにフィードバックされることは少なく、多くの場合映像を添えて伝えられています。ダートフィッシュに代表される映像分析ツールはそうしたコミュニケーションを媒介し、さらには活発化させるという大きな役割を担っています。
「自分たちは『こういう分析がしたい』という方に対するソリューションの作り手」と藤井さんはおっしゃられていましたが、今後アナリストらフロントスタッフたちが新しい分析を発想し形にする際、映像の力を借りずにそれを実現するのはほぼ不可能といっていいでしょう。そうした意味で、ダートフィッシュが手がけている仕事を知ることは“これからの分析”に適応する上で大きな意味があると考えます。
お話を聞きにうかがった段階では、「どんなことを話すか、まだ考えているところです」とおっしゃっていましたが、部分部分をお聞きしているだけでもかなり興味深いものでした。映像で何ができるのかを知りたい方、また球界の分析がどのように変わっていくのか、そのリデザインに大きな力を与えている方々の生の声をお聞きしたいという方のご来場をお待ちしております。