ソフトバンクが首位予想も2位日本ハムとの差はわずか（予想者：岡田友輔）

1位 ソフトバンク
2位 日本ハム
3位 ロッテ
4位 オリックス
5位 西武
6位 楽天

成績予測をベースに故障者の状況を加味して出場割合を調整して順位予想を行った。

優勝はソフトバンクと予測したが、2位日本ハムとの戦力差はそれほど大きくない。 栗原陵矢らソフトバンクの主力に故障が相次いでいるためだ。もし彼らの復帰が遅れたり、早かったとしてもコンディションが優れないようであれば、日本ハムとのマッチレースになるだろう。

ロッテは佐々木朗希移籍の影響が深刻。3位には入れるものの、トップ2球団との戦力差はかなり大きいと考える。

4位はオリックスと予想。投手陣は強力だが、野手の課題が大きく、昨季から大きく改善されるとも考えにくい。Aクラスには手が届かないのではないだろうか。

5位予想の西武は昨季他球団に大きく差をつけられ最下位に沈んだが、さすがに下振れが大きすぎた。今季はある程度揺り戻しがあると考える。

最下位予想の楽天は投手陣に大きな課題を抱えている。特に深刻なのは先発陣。高い質を保ちながらイニングを消化できる投手が台頭しない限り上位進出は難しいとみる。

ソフトバンクが圧倒的。優秀な外国人を抱えるロッテが躍進する（予想者：道作）

1位 ソフトバンク
2位 ロッテ
3位 日本ハム
4位 楽天
5位 オリックス
6位 西武

ソフトバンクが連覇を達成すると予想する。やはり戦力は圧倒的だ。昨季は柳田悠岐がシーズンの半分以上離脱したが、得点はリーグ平均を153点上回り、失点は108点少ない。主力選手の成績も安定しており、彼らが複数人負傷するような状況にならない限り波乱の要素は見当たらない。

2位予想のロッテはグレゴリー・ポランコとネフタリ・ソトという強打の外国人野手が打線を引っ張るチーム編成。優秀な外国人を獲得しにくい近年の事情を考えると、この点で他球団に差をつけられるとみる。なお、ソトは今季で36歳を迎え、そろそろ衰えが顕著となる頃だ。ただ、今季はまだ一定のパフォーマンスを維持するのではないか。

昨季2位に躍進した日本ハムは3位と予想する。一軍経験が少なく、成績が予想しづらい若手選手が多いため不確定要素は満載。その分楽しみなチームでもある。ただ、もし若手がそれほど振るわなかったとしても、CS進出のチャンスは十分にあると考えている。

楽天は4位としたが、Aクラスに進出できるだけの地力は持っているように思われる。昨季の低迷は投手陣の成績が極端に悪化したのが原因。これが運などの要素による下振れだとすれば、十分に成績改善が見込める。

オリックスは昨季に続いて5位の予想だ。過去数年で山本由伸、吉田正尚という投打の顔が流出。特に野手は吉田流出による穴を埋められておらず、1試合平均得点が2.81点（リーグ5位）にとどまっている。投手陣は依然として優秀だが、野手をカバーできるほどではない。なお、個人的には新外国人のジョーダン・ディアスがどのような成績を残すか注目している。

最下位予想は西武となった。FAによる選手の流出が続き、得点力不足が年々深刻になっている。昨季の出塁率.274、長打率.301、1試合平均2.41点はNPBの歴史上で見ると1970年のヤクルト以来、半世紀ぶりの低水準。これほど打てない状態では多くの勝ち星を挙げることは難しい。現有戦力で改善の余地は少なく、性急な改善は容易ではないだろう。2010年代の中日のように長期低迷に入るおそれがある。

リーグ全体の展望としては今季もロースコアの重い展開の試合が増えることが予想される。投手優位および優秀な外国人打者を獲得することが難しい環境が続くとみられるからだ。得点が入りにくいため、偶然の要素が試合結果を左右することも増えるだろう。また、飛び抜けた成績を残しにくいため、控えレベルにもある程度優秀な選手を有する穴のないチームが上位に進出するのではないだろうか。

ソフトバンクが抜けている。オリックスは投手がリーグ屈指も主力の故障が不安（予想者：市川博久）

1位 ソフトバンク
2位 日本ハム
3位 オリックス
4位 ロッテ
5位 楽天
6位 西武

強みとなるポジションを多数抱えるソフトバンクが頭1つ2つ抜けている。主力野手が複数名離脱する事態にでもならない限りは優勝は堅いだろう。

2位予想の日本ハムは若手野手の台頭が目立つ。ただ、ソフトバンクとの差は大きい。また、前年5位のオリックスが3位に入ると予想した。リーグでも屈指の投手陣を誇るが、森友哉ら主力のコンディション不良が深刻であれば予想通りにはならない可能性が高い。

4位のロッテ、5位の楽天は投手陣の戦力低下で昨季よりも低い予想順位となっている。ただ、3位との差はそれほど大きくない。上位球団の状況次第でAクラス入りは十分に狙える状況だ。

最下位予想の西武は野手に大きな弱点を抱えている。3位予想の球団との差も大きく、今シーズンのAクラス入りはかなり困難なのではないだろうか。

予測得失点からピタゴラス勝率を算出（予想者：佐藤文彦）

各選手について、WAR（Wins Above Replacement）の構成要素となるOffence、Defense、先発と救援のRARの予測値を算出。各選手の予測値をチームで合計し、そこからチームの得点と失点の予測値を推定した。この推定値からピタゴラス勝率を計算し、この値から予想順位を求めている。

ソフトバンクが連覇する予想となった。オリックスが2位まで盛り返し、西武も勝率.500近くまで躍進。5位と6位の差はわずかだが、2毛差でロッテが上回る予想となっている。

日本ハムはレイエスの起用や若手の活躍による上積みに期待（予想者：宮下博志）

DELTAの成績予測システム「D-CAST」の予測WARをチーム別に集計し、出場機会などを調整。求められた合計WARをもとに順位予想を行った。

成績予測の特徴
• 過去3年間（2022-24年）の成績から予測
• 各シーズンの成績は直近シーズンほど予測に反映されやすい
• 例年比で極端によい（悪い）成績の選手は例年に近い予測となる
• 出場機会が少ない選手はリーグ平均に近い予測となる
• 20代前半の若手選手は上方、30代のベテラン選手は下方修正されやすい

1位 ソフトバンク

ソフトバンクは圧倒的な野手WARを武器に1位予想となった。パ・リーグ野手WAR予測上位15名のうち6名（近藤健介、栗原、周東佑京、山川穂高、柳田、今宮健太）がソフトバンクに所属。圧倒的な戦力を保持している。また、控えの野手層も厚く隙がない。

一方、投手WARの予測はリーグ平均前後。野手ほど高い評価ではない。先発ローテーションの層が厚すぎるため、プラスを作れる投手が出場機会を食い合ってしまうためだ。安定感こそ非常に高いが、突出した投手はいないため上積みを作りにくいとみられる。

とはいえ総合的な戦力は圧倒している。主力野手に故障者が多発しない限り優勝最有力は揺るがないだろう。

2位 日本ハム

日本ハムはソフトバンクに次ぐ戦力評価の2位予想とした。

特に優秀なのが野手だ。野手陣は予測WARリーグ4位の万波中正を筆頭に、1.0以上が予測される野手が8人。特筆すべきはフランミル・レイエス。わずか334打席でリーグ8位のWARを記録する予測だ。これはシーズンフル出場した場合近藤（ソフトバンク）に匹敵するレベルである。若手野手が多く、成長によるさらなる上積みの余地が残されているのも強みといえよう。

投手陣も野手ほどではないがかなり優秀だ。特に先発陣はWARは1.0以上が予測される投手が6人。非常に安定した先発ローテーションとなるだろう。

3位 ロッテ

ロッテは3位予想となった。

投手陣はリーグトップクラスのWARが予測されている種市篤暉が軸になるだろう。ただ、100イニング以上が予測された投手は種市、小島和哉、西野勇士の3人だけ。佐々木がMLBに移籍したこともあり、投手層に課題を抱えている。

野手は戦力層が厚く、全体的な総合力が高いのが強みだ。ただ、突出した野手は予測WARリーグトップ10にランクインした髙部瑛斗ぐらい。全体として小粒感は否めない。

現状の戦力で優勝を狙うためには、先発投手の充実や突出した野手の台頭が必要となるだろう。

4位 西武

昨季最下位の西武は4位予想となった。

投手は武内夏暉、隅田知一郎、 今井達也が投手WARでリーグトップ10にランクイン。先発ローテーションの強さが際立ち、リーグ上位の予測WARとなった。

一方で気になるのは平良海馬の起用だ。平良は先発と救援で合計100イニング程度を消化すると予測されているが、報道によれば抑えに回る予定とのこと。もし平良がシーズンを通して抑えを務めるのであれば、実際のWARは予測よりも伸び悩むことになるだろう。

昨季リーグワーストに沈んだ野手WARは、ある程度回復する予測が出ている。 源田壮亮、外崎修汰などレギュラークラスは安定してまずまずのWARを記録する見込み。また、古賀悠斗、佐藤龍世、西川愛也らがプラスを作り、昨年大きなマイナスを記録した選手の起用が減少する予測だ。ただし、300打席以上に立つと予測されているのは源田、外崎の2人だけ。レギュラーが定まらない中でAクラスを目指すためには、より優秀な野手に多くの打席を与える柔軟なベンチワークが必要かもしれない。

5位 オリックス

オリックスは低調な野手WAR予測が響き、5位予想となった。

投手は今季もかなり優秀と予測されている。宮城大弥が12球団1位の予測WARを叩き出す見込み。曽谷龍平、アンダーソン・エスピノーザ、山下舜平大、九里亜蓮も軒並みWAR1.0を上回る予想だ。ただし、選手層が厚いゆえに出場機会の食い合いが発生する見込み。若手の先発投手が台頭しにくい環境と言えるかもしれない。

野手WARは西武と並びリーグ最下位の予想だ。一定以上のWARを記録する選手はそろっているが、突出した野手の少なさがネック。野手WAR予測トップ20にランクインした野手はリーグ4位の森だけだ。Aクラスに上がるためには、他球団に対して差をつけられる優秀な野手を増やしたい。

6位 楽天

最下位は楽天。最大の原因は投手陣の予測WARが非常に低かったことだ。個人で見ると、投手WARトップ20には早川隆久、ミゲル・ヤフーレがランクイン。しかし投手陣全体で見ると三振を取れないタイプが非常に多く、質の面で他球団に後れを取る予測だ。

一方、野手はレギュラークラスの選手が多い。ソフトバンク以外には決して見劣りしないだろう。とはいえ、投手陣の課題をカバーできるほどではない。大黒柱の浅村栄斗は復調する見込みだが、年齢的な衰えもありWARは2.0に届かない予測だ。野手全体としても昨季以前ほどの強みは発揮できないと見ている。

総評

2025年はオープン戦時点で各球団の予測WAR上位選手にコンディション不良報道が続出。彼らの離脱期間はわからないためレギュラーシーズンへのインパクトは未知数だ。ただ、離脱が長引いたりプレーに大きな影響が出たりすれば、チーム戦力図は大きく変動する。順位が大きく入れ替わる大荒れのシーズンとなる可能性は低くない。例年以上にコンディション管理やベンチワーク、トレード補強などの重要性は高い。試合中のプレーに加え、チームの組織的な総合力も肝要なシーズンとなりそうだ。

自作の成績予測システムの改良版による予測（予想者：二階堂智志）

過去に作成した成績予測システムを改良したものを応用して順位予想を行った。このシステムを用いて個人の成績を予測し、それらを合算することでチーム全体のWARを算出。その値をもとに順位予想を行った。

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