はじめに



先日のオリックス・佐藤投手の分析に続き、今回は野手より巨人・坂本選手をピックアップしてデータを見ていきたいと思います。


さて、打撃面では以下の表1-1に示すように好調な坂本選手ですが、その反面、守備面には問題があるという指摘もあります。


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以下の表1-2に示す月末時のUZRを比較すると、4月末では低調といえる成績だったかもしれませんが、5月末にはプラスのペースを上げています。4月から5月にかけて守備面で改善があったと見て良いデータだと思います。



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守備範囲の変化



今回は、このような数値上の変化が起こった背景として、遊撃手としての守備範囲がどのように変化したのかをゴロの処理状況から見ていきたいと思います。


分析対象としたのは、以下の図1に示す二・三塁間の距離3へのゴロです。二・三塁間をCからMのゾーンに分割し、各ゾーンでのゴロの処理状況を整理していきます。


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まずは、2015年、2016年4月、5月の処理状況をそれぞれグラフに示します。



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オレンジで示してあるのが2015年に坂本選手が獲得したゾーンごとのアウト数になります。守備範囲の広さを視覚的に示しています。図2-2と図2-3を比較して守備範囲に変化があったといえるでしょうか?


月ごとのゴロの処理数が異なるのと、図2-3の5月のデータではゾーンIへのゴロの数が少ないので、少し比較が難しく感じます。そこで、ゾーンごとのアウト率を計算し、2015年と2016年の4月と5月で比較してみました。データを以下の図3に示します。



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2015年の成績と比較すると、4月のアウト率はゾーンH・I・Kで低くなっており、守備範囲が狭くなっていることを確認できます。一方、5月のアウト率は、ゾーンH・Kで2015年並みに戻しています




まとめ


以上、坂本選手のゴロの守備状況を見てきました。4月から5月にかけてのUZRの向上の背景にある、坂本選手の守備範囲が広がりを確認することができました。


4月の不調はやはり故障が原因だったとともに、個人的な推測ではありますが、4月の中旬に休養を取った(取れた)ことが5月の成績の改善につながったのではないかと考えられます。ただ、5月のアウト率を見ても、定位置のI、二塁寄りのL、Mでのアウト率は2015年のレベルには及んでおらず、+32.1ものUZRを記録した昨季 に比べると、まだ完調とはいえない状態なのかもしれません。6月以降に完調といえるまで守備成績を戻すのかどうか注目していきたいところです。

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