ポジション別wRAAとは:同じ打席数をリーグの同ポジションの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたか、または減らしたか。ポジション平均の打者であれば0。3.0であれば同ポジションの平均より3点多く打撃でチームの得点を増やしたと考えることができる。この表を見て、攻撃面の強みがどのポジションにあるのか、各チームの状況の把握に役立ててほしい。前回公開(7月10日)時点のポジション別攻撃力は
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パ・リーグポジション別攻撃力
ソフトバンクは二遊間の攻撃力がリーグトップ。主に今宮健太と三森大貴によるものだ。守備指標UZR(Ultimate Zone Rating)で見ても、ともに12球団トップクラスと攻守両面でチームを引っ張っている。西武は昨季から続く外野の攻撃力不足が今季前半も継続。しかしブライアン・オグレディの活躍により左翼がほぼ平均レベルになるなど、改善の兆しも見られる。楽天は昨季平均レベルだった中堅の攻撃力がリーグトップに。他球団の中堅手が振るわないこともあるが、辰己涼介自身も出塁率を.326から.351に向上させるなど、成績を改善させている。
ロッテは前半戦チーム全体で打力不足に陥ってしまった。なんと半数近くのポジションでリーグワーストを記録している。オリックスは杉本裕太郎が守る右翼、吉田正尚が入る左翼と指名打者がそれほど伸びていない。昨季は前半戦終了間際の時点で両翼で+40以上の利得を作り出していたが、今季はそのアドバンテージが失われている。日本ハムは前半戦に長打面で大きな改善を見せた。しかし昨季から出塁能力は失われてしまっている。
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セ・リーグポジション別攻撃力
前半戦首位を独走したヤクルトはなんと言っても村上宗隆の活躍に尽きる。この表で見てもその貢献は断トツ。ほかのポジションの優秀な選手が霞むほどになっている。阪神は昨季リーグトップだった一塁の攻撃力が今季前半戦はリーグ平均レベルに。ジェフリー・マルテの不調や故障が痛かった。これを受け、フロントは新外国人アデルリン・ロドリゲスを獲得している。広島は昨季リーグワーストだった一塁の攻撃力がリーグトップに逆転。新外国人ライアン・マクブルームの活躍によるものだ。
DeNAは昨季右翼を守っていたタイラー・オースティンの不在が痛い。出場機会は楠本泰史や蝦名達夫などに割り振られた。そして彼らもそこで一定の成果を残し、右翼の攻撃力は平均レベルをキープしている。読売は新外国人のアダム・ウォーカーとグレゴリー・ポランコの両外野手が攻撃面で活躍。昨季リーグ平均レベルだった左翼はリーグトップレベルに。大きなマイナスを記録していた右翼は平均レベルに改善している。中日は3年目の岡林勇希が奮闘。昨季リーグ最大の弱点となっていた右翼の攻撃力を、今季前半戦はわずかなマイナスにとどめる活躍を見せている。さらに右翼UZRでは12球団トップの10.5を記録するなど、守備面での貢献も特筆すべきだ。
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