ポジション別wRAAとは:同じ打席数をリーグの同ポジションの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたか、または減らしたか。ポジション平均の打者であれば0。3.0であれば同ポジションの平均より3点多く打撃でチームの得点を増やしたと考えることができる。この表を見て、攻撃面の強みがどのポジションにあるのか、各チームの状況の把握に役立ててほしい。先週(8月14日終了時点)のポジション別攻撃力は
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パ・リーグポジション別攻撃力
西武は後半戦から二塁の外崎修汰を1番に固定。今季1番で起用された際の打率/出塁率/長打率は.262/.328/.430と好成績を記録している。ソフトバンクは21日、二塁で出場した野村勇が2本塁打の活躍。野村はここまで149打席で10本塁打を放っており、長打力を測るISO(Isolated power)では.303を記録。この値は今季12球団で100打席以上に立った148人中4位とトップクラスだ。楽天は辰己涼介が新型コロナウイルス感染により離脱。守備の名手として知られる辰己だが、ここまで打率/出塁率/長打率で.272/.358/.393と打撃でも好成績を残していた。
オリックスは三塁に注目だ。宗佑磨の活躍で三塁の攻撃力は平均レベルに。一方守備面では昨季三塁UZR(Ultimate Zone Rating)が11.9と素晴らしい値を残したが、今季はここまで-0.5と平均レベルにとどまっている。ロッテは今季ここまで指名打者の打率/出塁率/長打率が.199/.250/.325。打撃専門のポジションでこの成績は致命的だ。日本ハムは16日から指名打者で松本剛が復帰。コンディションはまだ万全ではないようだが、先週の打率/出塁率/長打率は.368/.400/.368と早速結果を残している。
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セ・リーグポジション別攻撃力
ヤクルトは村上宗隆が現在三冠王。平成唯一の三冠王・松中信彦と比較されることも多いが、リーグ平均レベルの打者と比較してどれだけ得点を積み上げたかの評価wRAA(weighted Runs Above Average)ではここまで69.0。30試合以上を残しながら、すでに2004年の松中(69.2)を捉えている。6連勝と波に乗るDeNAは二塁の牧秀悟が絶好調。セの二塁手は一時混戦となっていたが、シーズン当初同様、牧が守るDeNAが突出するかたちとなってきた。阪神は右翼の佐藤輝明に注目。長打力に注目されがちだが、今季は出塁面も向上。出塁率は昨季の.284から.322にまで大幅にアップしている。
広島は16日から菊池涼介、小園海斗、野間峻祥など、主力を含む複数名が新型コロナウイルス感染により離脱。チームの攻撃力低下は免れない。読売は右翼の攻撃力が5月22日時点で6.0とリーグトップを記録していた。しかし現在はリーグワーストのポジションに落ち込んでいる。中日は8月上旬から二塁に若手の石垣雅海を抜てき。先週の打率/出塁率/長打率は.444/.444/.778を記録。その結果、中日の二塁の攻撃力は8月14日時点の-6.7から-4.1に回復している。
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