FA権有資格者一覧
17日に発表されたFA権有資格者は109人。このうち既に退団を表明している選手、あるいは複数年契約により今オフの宣言が不可能な選手を除いたリストが以下だ[1]。契約状況や年俸、FAランクについては公式情報ではないため、誤っている可能性がある点に注意してほしい。今回はこの選手たちを格付けしていく。
格付けは成績予測システム“D-CASTにより行う。MLBで活用される機械的な成績予測をNPBに対応させたDELTA独自のシステムだ。FA市場において、球団が買うのは過去の実績ではない。これからの活躍だ。過去の実績を見ているだけでは、選手の価値を見誤ることになりかねない。そういった点で選手の未来を推定する成績予測システムは、FA選手の価値を見極めるのにうってつけである。もちろんどの選手が求められるかはチーム事情によるが、それ以前のフラットな選手評価として見てほしい。
今回はキャリアを終えるまでに、総合指標WAR(Wins Above Replacement)をどれだけ積み上げられるか、その合計値でランキングを作成した[2]。簡単に言うと、これからどれだけ活躍するかだ。それでは早速見ていこう。
FA選手ランキング2022
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
西武 |
27 |
捕手 |
21,000 |
A |
25.1 |
森友哉の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
412 |
8 |
.251 |
.328 |
.391 |
8.3 |
4.1 |
9.3 |
3.7 |
2023(D-CAST) |
466 |
9 |
.253 |
.341 |
.378 |
11.2 |
1.3 |
10.1 |
4.1 |
D-CASTによる森友哉のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
2031 |
2032 |
2033 |
2034 |
2035 |
WAR |
4.1 |
3.8 |
3.6 |
3.3 |
2.8 |
2.4 |
1.9 |
1.3 |
0.9 |
0.6 |
0.3 |
0.1 |
0.1 |
2022年のFAランキング1位は森友哉となった。森は今季、不調に故障も重なり思い通りのシーズンを送ることができなかった。そのためD-CASTでの今後の予測においても、MVPを獲得した2019年レベルのWARが予測されているわけではない。しかしそれでも森の価値はランキング内で断トツ。これからキャリアを終えるまでに、25.1のWARを稼ぐことが予測されている。移籍がリーグの趨勢を変えるゲームチェンジャーだ。
他選手との差を生んだ最大の理由がその若さにある。多くのFA選手が市場に出るのは30歳を超えてから。市場に出るのは既に下り坂を迎えたタイミングとなる。一般的にFA選手が期待ほどの活躍ができないのはこれが大きな原因だ。しかし森は2022年終了時点で27歳。まだこれからしばらく全盛期を維持できる状態である。D-CASTでも、今後7年ほどはレギュラークラスの働き(WAR2.0前後)を見せることが予測されている。これを考えると、7年以上の長期契約でもリスクは小さいはずだ。長期契約について良くないイメージを持っている人もいるかもしれないが、これほど長期にわたり良い予測を見せている選手であればリスクは小さい。獲得を狙う球団視点で見ると、契約期間の長さで他球団との差を生み出すのも1つの手だ。森の視点から見ても、そのレベルの大型契約を狙いたい。
また森の場合、D-CASTによる予測を超えるWARを記録する見込みも大きい。D-CASTが成績予測に用いる過去3年間、森は故障なども重なり多くの試合に出場できたわけではなかった。出場機会の少なさが予測にも響いているのだ。順調にレギュラー捕手として出場させ続けられれば、予測を上回るWARを記録する可能性も高い。
今オフは森のほかにもビッグネームが多くFA権を獲得している。この市場において、森は目玉選手の1人と見られているかもしれない。ただセイバーメトリクスの視点から見た場合、それは間違いである。森は目玉の1人ではなく、抜きん出た目玉選手だ。日本プロ野球FA史でも最高レベルの選手であるため、歴代最高レベルの契約を勝ち得るのが妥当である。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
日本ハム |
29 |
外野手 |
25,500 |
A |
18.3 |
近藤健介の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
396 |
8 |
.302 |
.418 |
.462 |
30.9 |
-3.0 |
1.2 |
4.0 |
2023(D-CAST) |
458 |
8 |
.278 |
.394 |
.410 |
25.6 |
0.2 |
-5.0 |
3.8 |
D-CASTによる近藤健介のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
2031 |
2032 |
2033 |
WAR |
3.8 |
3.5 |
2.9 |
2.6 |
2.0 |
1.4 |
1.0 |
0.6 |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
このFA市場において、打撃で最も大きな差を作ることができそうな選手が近藤健介だ。特に出塁能力は球界最高レベルにあり、出塁率は現在6年連続で4割オーバーをマークしている。
FA市場での近藤について考える際、注目したいのが守備力だ。近藤は指名打者を務めることが多いが、決して守備力が低い選手ではない。2018年には左翼手として守備指標UZR(Ultimate Zone Rating)で10.4と平均を大きく上回る値を記録。今季は新たに中堅も298.1イニング守り、UZR3.0と平均以上の守備力を見せた。中堅を守れるということで、手を出しやすい球団も増えたのではないだろうか。ただ打つだけでなく、守備でも一定の働きを見せられるのが近藤の魅力である。
1位の森と比較すると、森ほど希少価値の高いポジションを守れない点、また2歳年を重ねているという点で、やや劣る評価となる。ただどんな球団にも勧めやすいのは近藤だ。外野全ポジションに平均クラスの選手を用意できる球団はないはず。捕手が強力なチームだと大きな上積みを作りにくくなる森と比べると、どんな球団でも力を発揮しやすい選手と言えるだろう。
また前述したように、森と比べると2歳年長だが、それでもまだ29歳。FA選手としては若い。D-CASTの予測を見ても、今後数年力を保つ見込みは非常に高い。予測を見ると、7年後の2029年でもWAR1.0を記録すると見込まれている。森同様、7年クラスの長期契約を提示してもリスクは大きくないはずだ。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
楽天 |
32 |
内野手 |
50,000 |
A |
13.9 |
浅村栄斗の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
633 |
27 |
.252 |
.365 |
.436 |
31.2 |
0.5 |
-5.6 |
4.2 |
2023(D-CAST) |
537 |
20 |
.256 |
.374 |
.434 |
28.7 |
-0.7 |
-3.6 |
4.5 |
D-CASTによる浅村栄斗のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
WAR |
4.5 |
3.4 |
2.4 |
1.7 |
1.1 |
0.5 |
0.3 |
0.1 |
2018年オフに西武から楽天に移籍した浅村栄斗。報道によるとその契約は今オフ切れるとされており、その場合再度市場に出ることができる。
浅村がこの4年間に残した成績は、FA移籍史に残るレベルのものであった。4年間で稼いだWARは19.9。4年連続リーグ野手WARトップ10に入る期待どおりの活躍を見せた。
こうした活躍ができたのは、森同様、浅村が早い段階で権利を行使できたからだった。それから4年経った現在、浅村は32歳。もちろん4年前に比べると長期的な活躍は期待しにくい。ただ浅村はいまだに高い価値を保っている。今後のキャリアで予想される獲得WARは13.9。今回FA市場に出る可能性のある選手の中で3位の数字だった。
ただこれまでと同じようにはいかないだろう。既に守備面で成績低下は始まっている。浅村の二塁UZRはかつて平均レベルを保っていたが、昨季が-5.4、今季は-4.7と、平均を下回るようになっている。今後は一塁や指名打者での出場もより増加していくだろう。獲得を試みる球団は二塁だけでなく、数年後のコンバートも許容できるような編成状況を作りたい。長期間二塁手を任せたいという球団は、意外とニーズに合わないかもしれない。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
ソフトバンク |
29 |
投手 |
60,000 |
A |
11.5 |
千賀滉大の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
144 |
9.75 |
3.25 |
0.44 |
2.59 |
4.9 |
2023(D-CAST) |
105.1 |
9.30 |
3.16 |
0.60 |
2.90 |
3.0 |
D-CASTによる千賀滉大のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
2031 |
2032 |
2033 |
WAR |
3.0 |
2.3 |
1.9 |
1.5 |
1.1 |
0.7 |
0.5 |
0.2 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
千賀滉大は昨年オフ、5年の複数年契約を結んだ。ただこの契約はオプトアウト付きと報道されており、千賀から契約の破棄が可能なようだ。千賀自身も今オフの権利行使を明言している。MLBへの移籍が濃厚とされるが、今回はNPBでの可能性も考えていく。
D-CASTによる千賀の残りキャリア予測WARは11.5となった。今回の市場において、投手では最大の値だ。ただ千賀は球界を代表するエースピッチャー。それにしては値が小さいと感じた人もいるかもしれない。
数値が伸びなかった原因としては、ここ数年多く稼働できていないことが関係している。千賀は今季144イニングを投げたものの、昨季は84.2、2020年は121と、それほど多くのイニングを投げられていない。こうした実績が影響し、予測が思ったほど伸びなかったようだ。
また年齢の影響も大きい。今季WAR4.9を残した千賀は来季3.0、その翌年には2.3と、貢献度を大きく落としていくことが予想されている。特に投手は野手以上に選手としてのピークが早く訪れることが研究によりわかっており、その傾向が千賀の予測にも影響を与えたかたちだ。故障や加齢のリスクをどう見るかで、千賀に対する評価も変わってくるのではないだろうか。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
ロッテ |
30 |
内野手 |
11,000 |
AorB |
11.4 |
中村奨吾の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
596 |
12 |
.257 |
.354 |
.392 |
16.9 |
2.0 |
-6.6 |
2.9 |
2023(D-CAST) |
553 |
9 |
.243 |
.337 |
.354 |
9.0 |
1.0 |
0.9 |
3.0 |
D-CASTによる中村奨吾のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
WAR |
3.0 |
2.5 |
2.2 |
1.6 |
1.0 |
0.7 |
0.4 |
0.1 |
5位はロッテの中村奨吾となった。今後のキャリアで予想されるWARは11.4。これは4位の千賀(11.5)とわずかな差である。ネームバリューから考えて、意外に感じる人も多いのではないだろうか。
中村は今季、WAR2.9を記録した。2021年の5.2から比べるとかなり数字を落としたかたちだ。ただこの成績が揺り戻し、来季は3.0を記録。その後は2.5、2.2、1.6と、4年ほどは平均から平均以上の働きが期待できる見込みだ。既に30歳と衰えにかかる年齢ではあるが、まだしばらく力を維持できそうだ。
また今オフは浅村、中村に加え、外崎修汰(西武)と、大物二塁手が多く権利を獲得していた。しかし外崎は既に残留が決定。また浅村については前述したように、二塁手としてのキャリアが長くないことが予想される。こうなると二塁手を求めるチームにとって、中村は一番のターゲットとなるはずだ。中村からすると悪くない状況である。
また中村は球界の中で、図抜けた高い評価を得ている選手ではない。千賀と同等の評価と聞くと、信じられない人も多いだろう。ただそうした状況だけに、競争はそれほど激しくならない可能性がある。大きな契約を用意できない球団でも、獲得のチャンスがあるかもしれない。二塁手のニーズがあるチームは積極的に狙いたい。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
西武 |
30 |
内野手 |
10,400 |
B |
10.5 |
外崎修汰の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
547 |
12 |
.215 |
.295 |
.356 |
-3.2 |
4.9 |
18.5 |
3.8 |
2023(D-CAST) |
456 |
8 |
.217 |
.298 |
.328 |
-3.6 |
2.0 |
12.2 |
2.7 |
D-CASTによる外崎修汰のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
2031 |
WAR |
2.7 |
2.3 |
1.9 |
1.4 |
1.0 |
0.6 |
0.4 |
0.1 |
0.1 |
6位は外崎修汰。今後キャリアでの合計WARは10.5と予測されている。千賀や中村とほぼ同等の値だ。ただ外崎は先日、既に西武への残留を発表している。具体的な金額は出ていないが、契約期間は4年とも報じられた。
ここでは外崎が仮に市場に出た場合どうなっていたか、シミュレーションをしてみよう。まず打撃について見ると、26本塁打を記録した2019年から一転、2020年以降の外崎は不振に喘いでいる。今季は打率/出塁率/長打率が.215/.295/.356。ストロングポイントであった長打力が削がれた状態で、ここ3シーズンを送った。もし2019年の成績を維持できていたら、このランキングでも間違いなくベスト3に入っていただろう。打力の回復に自信を持つ球団であれば、より積極的に獲得を狙いたいところだった。
一方で守備面での働きは安定して素晴らしい。今季は二塁手トップとなるUZR15.4を記録。またユーティリティ性も有しており、球団の編成状況によっては、三塁や外野に動かすこともできる。このユーティリティ性も付加価値となったはずだ。キャリア最大の契約を得られそうなタイミングであったが、結果的に西武に残留。これは西武からのオファー、そしてチームでのプレーによほどの魅力を感じたためだろう。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
広島 |
28 |
外野手 |
7,600 |
BorC |
9.6 |
西川龍馬の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
424 |
10 |
.315 |
.366 |
.456 |
18.8 |
0.0 |
-3.0 |
3.5 |
2023(D-CAST) |
468 |
9 |
.280 |
.332 |
.392 |
5.8 |
-0.6 |
0.1 |
2.1 |
D-CASTによる西川龍馬のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
2031 |
WAR |
2.1 |
1.9 |
1.7 |
1.4 |
1.1 |
0.8 |
0.4 |
0.2 |
0.1 |
西川龍馬も外崎同様、既に残留を発表している。西川龍の今後の予測WARは9.6。外野手では近藤に次ぐ貢献度が期待できる選手であった。外野の補強を狙っていた球団からすると、残留は残念なニュースだろう。ただ契約の詳細は出ておらず、もし単年契約であれば来季も市場に出ることは可能だ。そこからでも大きな契約は十分期待できる。
D-CASTの予測で見た場合、西川の来季以降予測WARは2.1、1.9、1.7、1.4。今季のWAR3.5はキャリアハイだったため、成績は少し落ち着くと予測されている。ただ現在27歳、この12月に28歳とFA選手にしては非常に若いため、今後の成績低下は緩やかだ。リーグの趨勢を変えられるゲームチェンジャーではないが、弱点を長期間埋められるという意味で価値は高かった。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
阪神 |
32 |
投手 |
20,000 |
A |
9.3 |
西勇輝の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
148.1 |
5.64 |
1.70 |
0.49 |
3.18 |
3.7 |
2023(D-CAST) |
124.2 |
5.81 |
1.98 |
0.72 |
3.58 |
2.8 |
D-CASTによる西勇輝のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
2031 |
WAR |
2.8 |
2.2 |
1.7 |
1.1 |
0.7 |
0.4 |
0.2 |
0.2 |
0.1 |
浅村同様、今オフ2度目の権利行使が可能となっているのが西勇輝である。この4年間、西も浅村同様素晴らしい活躍を見せた。4年間の合計WARは14.8。毎年安定して平均を上回るローテーション投手として稼働した。
ただ西も前回のFAから歳を重ねている。これからのキャリアはどう見込みが持てるだろうか。今後、西が記録すると予想されるWARの合計は9.3。今後のキャリア全体でこの4年間ほどの貢献を残すことができないと予測されている。これはやはり加齢の影響が大きい。
実際、既に加齢の影響は出はじめているように見える。西の奪空振り率(SwStr%)を見ると、今季は2014年以降でワーストの7.3%に落ち込んでいる。球威が低下しているのかもしれない。獲得を狙う球団はこういった状態も頭に入れておきたい。長期間の稼働を視野に入れるのではなく、すぐさま投手力アップを狙いたい球団に有用だ。
|
所属 |
年齢 |
POS |
年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
読売 |
33 |
投手 |
60,000 |
A |
7.4 |
菅野智之の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
147 |
6.37 |
1.90 |
0.92 |
3.71 |
3.0 |
2023(D-CAST) |
109.2 |
6.92 |
2.13 |
0.83 |
3.53 |
2.6 |
D-CASTによる菅野智之のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
WAR |
2.6 |
1.9 |
1.2 |
0.8 |
0.4 |
0.2 |
0.2 |
0.1 |
菅野智之は昨季海外FA権を取得。しかし権利を行使せず、噂されたMLB挑戦も今オフに持ち越しとなっている。菅野の今後の活躍はどう予測できるだろうか。
かつて日本球界を代表するエースとして活躍した菅野だが、この順位からもわかるように今後の見通しは明るくない。今後のキャリアでの予測WARは7.4。これはかつて菅野が1シーズンで記録していたレベルの数字だ。
予測が伸びないのはやはり年齢の影響が大きい。今季はWAR3.0を記録したが、来季以降は2.6、1.9、1.2、0.8と大きく落としていくことが予測されている。既に全盛期から比べると力を落としており、さらに加齢の影響もあるため数字を落としていく見込みだ。先発としてリーグ平均レベルのクオリティを維持できるのは残りわずかという見立てが妥当だろう。超ビッグネームではあるが、FA市場の中での価値としてはそれほど大きくない。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
楽天 |
30 |
外野手 |
8,500 |
BorC |
7.2 |
西川遥輝の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
451 |
7 |
.218 |
.342 |
.341 |
6.0 |
2.1 |
2.3 |
2.6 |
2023(D-CAST) |
479 |
5 |
.238 |
.354 |
.331 |
8.7 |
1.0 |
-5.1 |
2.1 |
D-CASTによる西川遥輝のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
WAR |
2.1 |
1.7 |
1.4 |
1.0 |
0.6 |
0.3 |
0.1 |
0.0 |
昨オフ、事実上の自由契約で日本ハムを退団となった西川遥輝。今季は加入した楽天でWAR2.6と十分な活躍を見せた。D-CASTでは、来季以降のWARが2.1、1.7、1.4、1.0と予測されている。昨オフ、完全にフリーの状態になった選手だが、今後もしばらく一定の価値は維持しそうだ。まだ30歳であるため、成績低下は緩やかだ。
近藤の項でも述べたが、外野全ポジションに平均的な選手を抱える球団はないはずだ。比較的どの球団にもフィットしやすい人材と言えるだろう。近藤に比べると安価で獲得できそうな点も魅力だ。現在所属している楽天は外野手が豊富な球団である。市場に出たほうが西川遥をより欲しがる球団があるかもしれない。
トップ10から漏れた注目選手
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
楽天 |
34 |
投手 |
90,000 |
A |
7.1 |
田中将大の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
163 |
6.96 |
1.82 |
0.88 |
3.38 |
3.4 |
2023(D-CAST) |
126.1 |
6.95 |
2.17 |
0.80 |
3.38 |
2.8 |
D-CASTによる田中将大のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
2030 |
WAR |
2.8 |
1.8 |
1.2 |
0.6 |
0.3 |
0.3 |
0.1 |
0.1 |
日本プロ野球の歴史に残る名投手・田中将大。日本球界復帰後の活躍について、大きなインパクトを感じていない人もいるかもしれない。しかしWARの評価で見ると、昨季が3.5、今季が3.4と、着実に主戦級の貢献を続けている。現在、過小評価されている投手といってよいのではないだろうか。
ただ現在の実力と、市場における価値は全く別物だ。市場が求めるのはこれまでの実績ではなく、これからの勝利だ。この観点で見た場合、田中の価値はどうしても下がってしまう。今後のキャリアでの予測WARは7.1。FAランキングにおいても、トップ10から外れる結果となってしまった。
予測が伸びなかった原因はやはり年齢だ。今年終了時点で34歳を迎える田中は、来季WAR2.8と一定の成績を残すが、2024年以降に大きく数字を落としていくことが予想されている。こうした予測がある以上、長期にわたっての契約をオファーするのはリスクが高そうだ。短期的に投手補強の需要があり、大きなコストを払うことができる球団であればマッチしそうである。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
ソフトバンク |
31 |
内野手 |
29,000 |
B |
5.9 |
今宮健太の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
510 |
7 |
.296 |
.352 |
.409 |
12.9 |
-3.3 |
14.6 |
4.6 |
2023(D-CAST) |
399 |
6 |
.239 |
.289 |
.335 |
-4.8 |
-1.1 |
10.6 |
1.8 |
D-CASTによる今宮健太のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
WAR |
1.8 |
1.5 |
1.1 |
0.7 |
0.5 |
0.2 |
0.0 |
今オフの市場で遊撃手最上位に位置するのが今宮健太だ。ただ最上位とはいえ、順位は12位。今後のキャリアで5.9のWARを記録することが予測されている。
今宮は今季WAR4.6と素晴らしい成績を残した。これはここ数年見られなかったほどの好成績だ。ただそれゆえにD-CASTはこれを出来すぎとみて、来季はWAR1.8とやや抑えめの予測を行っている。また今宮も既に31歳。年齢の影響もあり、今後は成績を落としていくことが予想されている。予測が伸びていないのはこの2つが原因だ。
今宮についても、長期的な活躍を期待する球団はフィットしなさそうだ。また名手の今宮と言えど、今後は守備力を落としていくことが予想される。遊撃からのコンバートを視野に入れられる球団が望ましい。弱点が遊撃だけでなく、二塁や三塁に広がっているチームのほうが、補強効果は大きくなるだろう。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
中日 |
32 |
投手 |
2,800 |
C |
4.8 |
松葉貴大の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
100 |
4.59 |
1.62 |
0.36 |
3.20 |
2.1 |
2023(D-CAST)※先発 |
72.2 |
5.18 |
2.03 |
0.74 |
3.75 |
1.5 |
2023(D-CAST)※救援 |
4.2 |
6.59 |
2.77 |
0.81 |
3.78 |
0.0 |
D-CASTによる松葉貴大のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
WAR |
1.5 |
1.2 |
0.9 |
0.6 |
0.4 |
0.2 |
0.1 |
10月25日、松葉貴大がFA権を行使せずに残留することを発表した。球団側からは複数年契約の提示を受けたと報じられており、これで今季だけでなく、来季も市場に出ることもなくなりそうだ。
今オフのFA市場には数多くの目玉選手がいるが、松葉は裏の目玉といって良い存在だった。その理由は松葉のFAランクにある。松葉の2022年推定年俸は2800万円。これは中日球団内でも高いものではなく、FA移籍時に補償が不要となるCランクにあたる可能性が高かった。既に本ランキングで挙げた選手は、すべてAランクかBランクにあたる可能性が高い。つまり補償不要な選手の中で最も良い予測を見せているのが松葉だったのだ。
今季、WARの評価で2.1を記録した松葉は、来季以降、1.5、1.2、0.9と値が推移していくことが予想されている。これは決して大きな値ではない。ただ比較的格安で獲得できそうで、さらに補償も不要となると、リスクの小ささという点で極めて魅力的だった。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
阪神 |
31 |
投手 |
4,500 |
BorC |
3.4 |
岩貞祐太の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
42 |
8.14 |
2.79 |
0.21 |
2.59 |
1.0 |
2023(D-CAST)※先発 |
33.1 |
7.10 |
2.87 |
0.85 |
3.77 |
0.7 |
2023(D-CAST)※救援 |
31.1 |
7.37 |
2.81 |
0.83 |
3.66 |
0.3 |
D-CASTによる岩貞祐太のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
WAR |
1.0 |
0.8 |
0.6 |
0.5 |
0.3 |
0.1 |
0.1 |
17位の岩貞祐太も注目だ。岩貞は現在31歳の救援左投手。今後のキャリア全体でWAR3.4を記録すると予想されている。こちらも値はそれほど大きくないが、順位以上に市場価値が高くなる可能性は秘めている。
その要因の1つはFAランクだ。岩貞の推定年俸は4500万円。この年俸が球団内でBランクにあたるのか、Cランクにあたるのかははっきりわかっていない。もしCランクに当たるのであれば、補償なしでの移籍が可能になる。そうなれば獲得を狙う球団にとって魅力的だ。
またもう1点、岩貞には特殊な事情がある。岩貞はここ数年救援を務めているが、もともとは先発で活躍していた投手だ。救援にまわったのは、本人の問題よりチーム事情による部分が大きい。現在も先発として活躍できる能力は十分持っている可能性がある。もし先発として稼働できるようなら、この予測WARを大幅に上回ってくるはずだ。救援ではなく、先発として獲得に動く球団があってもよいのではないだろうか。資金力に劣る球団にとっても、狙い目となる投手だ。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
ロッテ |
28 |
捕手 |
6,500 |
BorC |
2.0 |
田村龍弘の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
5 |
0 |
.200 |
.200 |
.200 |
-0.5 |
0.2 |
0.1 |
0.1 |
2023(D-CAST) |
203 |
2 |
.214 |
.284 |
.293 |
-5.0 |
-0.2 |
4.0 |
0.5 |
D-CASTによる田村龍弘のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
2029 |
WAR |
0.5 |
0.5 |
0.4 |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
0.0 |
森以外の捕手でランキング最上位となったのが、田村龍弘だ。今後のキャリアでのWAR予測は2.0となっている。まだ28歳。かつては正捕手を務めた選手だが数字が伸びていない。
田村はここ数年、出場機会を大幅に減らしている。全試合に出場した2018年から試合数の推移を見ると、143試合、100試合、92試合、70試合、そして今季はわずか2試合の出場に終わった。これには田村自身の故障などもあったが、チーム内で評価を得られなかったことが要因として大きいように見える。予測値にもこの出場機会の少なさが大きく影響している。
ただ2018年にはWAR2.4を記録したレギュラー級の捕手だ。出場機会さえあれば予測値から上振れる可能性も高い。捕手は弱点だが、森には手を出せないと言う球団にとっては狙い目になるのではないだろうか。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
阪神 |
31 |
投手 |
15,000 |
AorB |
1.7 |
岩崎優の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
55 |
7.20 |
1.80 |
0.16 |
2.40 |
1.4 |
2023(D-CAST) |
43 |
7.22 |
2.40 |
0.79 |
3.50 |
0.5 |
D-CASTによる岩崎優のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
WAR |
0.5 |
0.4 |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
0.1 |
10月24日、岩崎優は国内FA権を行使したうえで、チームに残留することを発表した。阪神と新たに結ぶ契約は4年。推定8億円の長期契約と報道されている。FA市場における救援の目玉と見られていたが、阪神が残留させることに成功した。
ただD-CASTによる成績予測において、岩崎はそれほど良い評価を受けているわけではない。今後のキャリアで予測されるWARはわずか1.7。今季1.4を記録したWARは、来季以降0.5、0.4と大きく低下し推移すると予測されている。今季は防御率が1.96と好成績だったが、これには被本塁打の少なさという点で運が味方しており、さらにそもそも奪三振面も例年ほどではなかった。これらの要因もあり、予測値は低迷した。
予測値から考えると、今回の契約は岩崎にとってお得なものだったように見える。一方阪神は、32歳から35歳の救援投手に対してややリスキーにも思える契約を結んだと考えられる。もちろん予測を上回る可能性もあるが、どうなるだろうか。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
DeNA |
30 |
投手 |
28,000 |
A |
1.6 |
山﨑康晃の2023年成績予測
年度 |
イニング |
奪三振率 |
与四死球率 |
HR/9 |
FIP |
WAR |
2022 |
54.1 |
6.96 |
1.33 |
0.66 |
3.01 |
1.1 |
2023(D-CAST) |
43.2 |
6.59 |
2.27 |
0.78 |
3.59 |
0.5 |
D-CASTによる山﨑康晃のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
WAR |
0.5 |
0.4 |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
0.1 |
ポスティングシステムを利用してのMLB移籍を目指すと報じられている山﨑康晃。既に国内FA権を取得しているため、実は今オフ市場に出る可能性もある。
日本球界を代表するリリーバーである山﨑だが、D-CASTの予測ではそれほど振るっていない。今後のキャリアでのWAR予測は1.6。今季は防御率1.33を記録したが、これがセイバーメトリクスの評価ではやや出来すぎと考えられている。さらに今後年齢的に下り坂を迎えることが予測されるため、予測が伸びていないわけだ。今オフの市場に出る可能性は高くないと思われるが、もし出た場合、契約には一定のリスクがありそうだ。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
オリックス |
32 |
捕手 |
4,500 |
C |
1.2 |
伏見寅威の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
235 |
3 |
.229 |
.274 |
.341 |
-7.3 |
-1.9 |
7.5 |
1.1 |
2023(D-CAST) |
214 |
3 |
.217 |
.263 |
.319 |
-5.8 |
-0.7 |
5.5 |
0.6 |
D-CASTによる伏見寅威のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
WAR |
0.6 |
0.4 |
0.2 |
0.1 |
今季オリックスで若月健矢と併用された捕手・伏見寅威。チームは捕手の層が厚いため、出場機会を求めて宣言する可能性は十分にありそうだ。
今季WAR1.1を記録した伏見だが、既に32歳を迎えていることもあり、今後のキャリアで大きな貢献を残すとは予測されていない。残りキャリアでの予測WARは1.2。だがこれは併用が続き、出場機会が限定される前提での予測だ。もし出場機会が多く与えられるなら、さらに数字を伸ばす可能性は十分ある。
また伏見は、森、田村に次ぐ、市場3番手の捕手ながら、Cランクと予想されている。補償が不要であるためリスクが小さい。捕手に弱点を抱えるチームは積極的に動きたい。球団からのニーズはあるはずで、伏見からしても好条件を手にしたいタイミングだ。
|
所属 |
年齢 |
守備位置 |
推定年俸 |
予想ランク |
予測WAR合計 |
|
DeNA |
31 |
捕手 |
2,700 |
C |
0.3 |
嶺井博希の2023年成績予測
年度 |
打席 |
本塁打 |
打率 |
出塁率 |
長打率 |
wRAA |
BsR |
Defense |
WAR |
2022 |
262 |
5 |
.205 |
.237 |
.295 |
-15.7 |
-0.7 |
6.8 |
0.0 |
2023(D-CAST) |
191 |
3 |
.224 |
.269 |
.316 |
-6.7 |
-0.2 |
3.1 |
0.2 |
D-CASTによる嶺井博希のWAR予測
年度 |
2023 |
2024 |
2025 |
WAR |
0.2 |
0.1 |
0.0 |
既にソフトバンクが獲得調査を行っていることが報じられている嶺井博希。今季はDeNAの主戦捕手として活躍したが、キャリアでの見通しがそれほど良いわけではない。D-CASTによる今後キャリアでの予測WARは0.3にとどまっている。捕手が弱点のチームが獲得したとしても、大きな上積みを期待するのは難しそうだ。あくまでバックアップとしての獲得が妥当ではないだろうか。ただCランクが予想されるため、獲得に際してのリスクは大きくない。