3月27日、ついに2026年のプロ野球が開幕する。開幕に先立って1.02ではDELTAアナリストに順位予想を依頼した。予想を行う手法は各自自由に選んでもらい、簡単なコメントをもらい掲載している。アナリストによっては機械的に成績を予測する
プロジェクションという手法を採用しているが、その機械的な予測の中でも意見が割れている。これは予測の要素に何をどれだけ織り込むかの差である点に注意してほしい。今回はパ・リーグ編。セ・リーグ編は
こちらから。
日本ハム、ソフトバンクの二強。運用次第で優勝は変わってくる(予想:岡田友輔)
1位 日本ハム
2位 ソフトバンク
3位 オリックス
4位 西武
5位 ロッテ
6位 楽天
成績予測システム“D-CAST”の予測データをもとに予想を行った。
パ・リーグは日本ハム、ソフトバンクの二強を中心とした争いになるだろう。主力選手の伸びしろや年齢構成、投手補強の影響もあり、やや日本ハムが上回ったかたちだ。ただ僅差ゆえに運用次第で順位は入れ替わりそうだ。
オリックスは投手陣がハイレベルだが、攻撃だけでなく守備面含め野手陣のサポートがなければ上位二強を追うのは厳しそうだ。西武は編成部が新体制となりチームの再編成が進行している。底の状態にあった2024年から比べると、かなり野手陣の改善が進んでおり、希望が持てる状況になってきた。
ロッテ、楽天はともにほか4球団に戦力的に劣る見込み。既存戦力の底上げに加えて、外国人選手や若手など新戦力の台頭がなければ、上位進出は難しそうだ。
日本ハムは本拠地移転が吉に。ソフトバンク優勝は故障者次第(予想:道作)
1位 日本ハム
2位 ソフトバンク
3位 オリックス
4位 楽天
5位 ロッテ
6位 西武
久しぶりに日本ハム優勝の予想となった。日本ハム、ソフトバンクの上位2チームは投打ともに他の4球団を圧倒している。ともに水準を上回る粒よりの選手を多くそろえ、多少のアクシデントであれば全体で吸収して克服できそうな布陣だ。
昨今の野球は投手ばかりではなく野手への負荷も高まっており、昨季日本ハムの最多試合出場は清宮幸太郎の138試合(5試合欠場)であった。50年前のセ・リーグでは全試合出場9人、他に欠場5試合未満が6人であったことを考えると負傷リスクは高まっており、最悪の事態を回避する意味でも非常に強力な編成となっている。
また日本ハムは本拠地移転も吉と出たように思える。何事にも適正な規模や環境といったものは存在する。大谷翔平のMLB移籍に始まり、流出が続き多数の有力選手を抜かれた状態からわずか数年で分厚い戦力の球団へ変貌を遂げた。オーバーサイズの札幌ドームから適正サイズのエスコンフィールドへ本拠地移転したことにより適正な生存競争が促進されたことが一因とみている。
ソフトバンクは全員が無事であれば日本ハムを上回る見込み。しかし頻発しているレギュラー陣の故障が脚を引っ張る予想となり2位予想に落ち着いた。一例で、数年前は攻撃陣の負担を一身に担っていた柳田悠岐だが、過去2年間では72試合に出場したのみである。3月上旬時点で良好なコンディションでの出場が続いていることから過去3年間の平均を上回る80試合の出場を見込んだが、外れる場合は大きく外れそうである。中心打者の年齢を考えてもリスク回避が年々苦しくなる状況だが、欠場による損失をどこまで抑えられるかはペナントの行方を左右しそうだ。
西武は3年連続でのリーグ最少得点。4年前も最少得点チームより1点多いだけと打撃面での低調が続き、順位浮上のきっかけをつかめていない。2025年も攻撃はタイラー・ネビンに負担が集中し、若い長距離砲のブレイクも見られない状況であった。西武同様に得点力に難を抱えたセ・リーグの中日はホームランウイング設置へと動いた。今井達也を失った今年は何らかの手を打ってくる潮時かとも思ったが、環境に手を加えるようなことはなかった。中日とどのように明暗が分かれるか。
先発の差で日本ハムがソフトバンクを上回る(予想:佐藤文彦)
各チームに所属する選手の2026年のOffenceとDefenseと先発・救援でのRARを2025年時の年齢と過去3シーズン分の成績から予測。チームごとにこれらを合計した。さらにチームの得点をOffenceの合計値から、失点をDefenseと先発・救援でのRARの合計値から予測し、この予測値からピタゴラス勝率を求め順位予想を行っている。
1位は日本ハムの予想となった。得点は2位のソフトバンクと大差ないものの、失点の少なさで差がついた。失点予測に差がついたのは先発投手。有原航平の移籍分も大きいが、先発2・3番手の所でも日本ハムのほうが高評価だった。最下位の楽天は、先発のRARの予測値が12球団でもワーストと、失点が非常に多く予測されている。
下位4チームの3位争いも戦力差は小さい(予想:市川博久)
1位 日本ハム
2位 ソフトバンク
3位 オリックス
4位 ロッテ
5位 西武
6位 楽天
過去の成績から選手の成績を予測し、現時点での故障情報を加味して、最終的な順位予測を行った。
投手陣に大きな強みを持つ日本ハムがリーグトップの戦力である。野手陣に大きな強みを持つソフトバンクがこれに続き、戦力の比較では1勝程度の差しかない。この2チームが戦力的には他の4チームから大きく抜けており、主力にアクシデントがあったとしても他のチームがこの差を逆転することは難しい。この2チームで優勝争いが行われる可能性が最も高い。この予想では新人選手やNPBでのプレイ機会がなかった外国人選手の成績は考慮していないが、他の4チームにこれらの選手によって戦力が予想よりも大きく上積みされたとしても、この2チームを戦力で上回ることはほぼできない程度には差がある。
3位から5位までは上位2チームと同様に戦力の差が小さい。上位2チームと3位以下のチームとの差ほどではないが、これらの3チームと比べると楽天はやや差が開いての6位予想となった。野手陣はこれらのチームと同等かわずかに戦力で勝っているものの投手陣がかなり厳しい。
上位2チームで優勝争いを、残りの4チームで3位争いを繰り広げる構図になるのが最も可能性の高いシナリオだ。
投手と野手のピークが噛み合う日本ハムが優勝最有力(予想:宮下博志)
成績予測システム“D-CAST”によるWAR予測を基に、機械的に2026年シーズンの勝敗を予測した。各選手の成績は過去3年の実績から予測・調整を行っている。また今回は、成績が上振れした場合を想定した「最大勝率」も併せて試算した。
パ・リーグは昨季同様、日本ハムとソフトバンクによる二強の構図が予測される。一方でAクラス争いはさらに激化する見通しだ。注目チームはロッテと西武。
1位 日本ハム
野手・先発投手ともにリーグ最高レベルの戦力と予測された日本ハムを1位とした。特に先発投手陣は圧倒的で、伊藤大海、北山亘基、達孝太、有原、加藤貴之、金村尚真、山﨑福也の7名が平均、あるいはそれ以上の出来となる予測だ。先発の層の厚さは他球団と比較して大きなアドバンテージとなる。
野手陣も全盛期に近い年齢の選手が多く、急激なパフォーマンス低下のリスクは比較的小さい。投手と野手のピークが噛み合った戦力構成となっており、パ・リーグの最有力チームといえる。
2位 ソフトバンク
昨季日本一のソフトバンクは僅差で2位予想となった。控えを含めた野手層の厚さは依然としてリーグトップクラスだが、投手力の低下予測により総合力では日本ハムに及ばない結果となっている。
野手WAR予測では近藤健介(4.8予測)、栗原陵矢(3.0予測)、周東佑京(2.7予測)が上位に並び、野手の総合力は12球団最強と言ってよいだろう。一方で投手陣は昨季のパフォーマンスを維持するのが難しいと予測されており、総合戦力では日本ハムにわずかに届かない見込みとなった。
3位 オリックス
オリックスは「リーグ上位の投手陣+リーグ下位の野手陣」という戦力構成となり、日本ハム、ソフトバンクに差をつけられる形で3位予想となった。先発投手陣はパ・リーグ投手WAR予測1位の宮城大弥を中心に強力なローテーションを形成している。特に山下舜平大がシーズンを通してコンディションを維持できれば、大きな戦力上積みとなる。
一方で野手陣の予測値は伸び悩んでいる。これは昨季好調だった打者が多く、過去3年の成績を用いた予測で数値が抑えられていること、さらに昨季リーグワーストだったUZR(Ultimate Zone Rating)が今季もマイナス予測となっていることが影響している。Aクラスを盤石にするには、野手陣が昨季の打撃力を維持できるかが重要となる。
4位 ロッテ
昨季最下位だったロッテは、平均への回帰を考慮した予測により4位とした。昨季は不調の選手が多かったが、過去数年の成績を踏まえると戦力は上方修正される結果となっている。
投手陣は例年通りのパフォーマンスを維持できれば平均、あるいはそれを上回る投手が多く、チーム浮上の原動力となる可能性が高い。
一方で野手は昨季急激に低下した打撃力がやや改善する予測ではあるものの、不調が続けば順位上昇は難しい。打線の復調と先発投手のコンディション維持が、ロッテ浮上の鍵となる。
5位 西武
昨季5位の西武は今季も5位予想となったが、戦力予測ではAクラス争いに加わる可能性も十分ある。投手・野手ともに20代の主力が多く、出場機会の増加や成績向上がそのままチームの伸びしろとなる。MLBに移籍した今井の穴は大きいが、チーム全体の上昇でカバーできる見込みだ。
野手のキーマンは昨季打撃でブレイクした西川愛也。投手では先発再転向の平良海馬、そして昨季不調だった武内夏暉の復調がチーム上昇のポイントとなる。
6位 楽天
楽天は最下位予想となり、成績予測も厳しい結果となっている。特に先発投手陣は12球団ワーストの予測で、規定投球回到達者が0人という結果となった。これは低い奪三振能力が予測値に大きく影響している。早川隆久、荘司康誠、古謝樹以外の先発投手は0.5WAR未満と予測されており、先発層の薄さが課題だ。
ただし、裏を返せばローテーション級投手がブレイクした場合の戦力上昇幅は大きい。
野手戦力は他球団と十分戦える予測であり、Aクラス入りには先発投手のブレイクが必要条件となりそうだ。
有原の移籍が日本ハム、ソフトバンクの優勝の明暗を分けるか(予想:三好侑里)
1位 日本ハム
2位 ソフトバンク
3位 オリックス
4位 ロッテ
5位 西武
6位 楽天
成績予測システム“D-CAST”をベースに、選手名鑑[1]のデプス・チャートを参照し、さらに故障者情報も踏まえて各球団の戦力構成を整理した。
昨季優勝争いを繰り広げた日本ハムとソフトバンクの戦力差はほとんどない。フルシーズンの稼働が期待される達に加え、6番手以降でも一定の貢献が見込める若手投手が多いことから、ここでは日本ハムを本命とした。キーマンは今季加入した有原。予測に近いパフォーマンスを発揮できれば、新旧所属球団の明暗を分ける存在となる可能性がある。
上位2チームからはやや離されているものの、3〜5位の戦力差は小さい。オリックスは投手力こそ上位に位置するが、野手陣では上位2チームに差をつけられる構図となった。昨季最下位のロッテも、故障者が出なければAクラス争いに加われるだけの選手層を備えている。西武は桑原将志の加入や髙橋光成の残留など明るい材料もあるが、今井の移籍による影響は小さくない。
6位とした楽天は、早川が長期離脱する前提の予想で、それが大きな痛手となっていた。しかし早川の復帰が筆者の想定より早く進行しておりもう少し上振れるかもしれない。西口直人の先発転向や新外国人の加入が、どこまで戦力を押し上げるかがポイントになる。
手法について
1.02 Weekly Report Vol.688「DELTAの目線〜成績予測システムD-CASTの検証(野手編)~」でも指摘されている通り、D-CASTの課題の一つは出場機会数の予測にある。そこで、過去2年間のリーグ上位チームを対象に、先発/救援投手および各守備位置ごとの平均的な出場機会の配分を算出し、その結果を用いて予測成績を補正した。さらにWARがマイナスとなる選手の出場機会を調整し、各球団が「最適な起用」を行った場合を想定したうえで順位予想を作成している。
まず、先発投手および救援投手について、それぞれ1から6番手までの平均投球回を以下に示す。7番手以降の投手には「その他」のイニングを設定し、デプスチャートに含まれない投手へ均等に分配した。
次に、野手のポジション別出場機会数を示す。野手は各ポジションの1番手+2番手で全体の約9割の出場機会を占めるため、ここでは3番手以降の選手は考慮せず、各ポジション上位2名に出場機会を分配する形で調整を行っている。
[1]プロ野球全12球団選手名鑑2026(株式会社コスミック出版)
ソフトバンクの3連覇を予想。ただやはり差はわずか(予想:辻捷右)
1位 ソフトバンク
2位 日本ハム
3位 西武
4位 オリックス
5位 楽天
6位 ロッテ
2025年シーズンのRARを基本線に、各チームの主力の年齢や故障者などの状況を鑑みて予想を行った。
ソフトバンクが3連覇を達成すると予想する。昨季は、主力の近藤を欠く機会が多かったが、リーグ連覇&日本一を達成した。近藤は今シーズン33歳を迎える。年齢的にも、大きく成績を落とすとは考えにくく、故障がなければ主力の一員となるだろう。
また柳田や栗原ら、故障に苦しんだ選手が昨季以上に稼働すれば、リーグ一の攻撃力と見込まれる。投手では、ローテーションの柱であった有原が古巣日本ハムに移籍したものの、台湾出身の徐若熙を補強。しっかりと抜けた穴を補強する動きを見せており、大きな戦力ダウンはないと考える。
2位は日本ハムと予想した。ソフトバンクから有原を補強するなど、先発投手の戦力アップが期待できる。また、野手についても、石井一成の抜けた穴を補強する形として、ロドルフォ・カストロを補強するなど、デプスを埋める動きをしている。今季も戦力を維持したまま臨めるだろう。首位予想のソフトバンクとの戦力差についてであるが、大きく乖離していない。ゆえに、シーズン終盤までゲーム差が開くことはないと予想する。
3位は西武と予想した。DeNAから桑原を、日本ハムから石井をFA補強した。さらに、林安可やカナリオなど、外国人補強によっても野手の戦力アップを図る動きが見られ、昨季リーグ最下位であった得点のアップが期待される。さらに、昨季クローザーを担った平良が先発に再転向することが予想され、今井の抜けた穴を埋めることが期待される。
4位はオリックスと予想した。投手面では、山下が復帰すれば大きな戦力アップが見込めるが、20日に右ひじ痛により開幕に間に合わない可能性が報道されるなど、シーズンを通して稼働するかは未知数。野手では頓宮裕真が長期の故障離脱となると見込まれている。また、主力の杉本裕太郎が35歳を迎えるなど、主力の高齢化が懸念される。
5位は楽天と予想した。野手では、昨季途中加入のルーク・ボイトがシーズンを通して出場すれば、得点力向上へとつながるだろう。
6位はロッテと予想した。DeNAからアンドレ・ジャクソンを補強するなど、新戦力による投手陣の強化が期待できるが、野手陣には依然として攻撃力に課題がある。昨季はリーグ5位の得点であったが、今季も得点に苦しむシーズンとなると予想される。